昨日と今日と明日と・・・
”昨日の私”と”今日の私”は
同じか否か。
昔,師と尊敬する人が「矛と盾」
の話が例えに使われる”矛盾論”
について語っていたのを思い出す。
◆テスラ生誕150周年のマケドニア切手↑
見た目は,昨日と今日,ほとんど変わらないだろう。細胞レベルでは劣化しているかもしれないが。
だが,しかし,”昨日の自分の考え”と”今日の自分の考え”は違っていることもある。
そういう意味では変化しているとも言えると。
”矛と盾”も「5分前はどんな盾も突き通す矛だった」と捉えると,
別に矛盾でもなんでもない。
「矛盾が見つかれば,シメタと。矛盾は自ら問題解決方法を内在している”と。
電気のおかげ?電気のせい?
交流発電機を発明した,ニコラ・テスラが亡くなって今年は150年。
テスラの名前を知る人は少ないかもしれない*1。
電灯を発明したといえば,エジソンになるのだが,彼の元に難民のテスラが転がり込んで
電気関係の発明競争が始まった。今,家庭のコンセントから得られる電気は”交流”と呼ばれるが,
エジソンは,”直流発電”を推進していた。それに対してテスラは”交流発電”。
直流では,長距離に電気を送れないのがネックと言われていた。
数学に弱い,エジソンに対し,科学知識の豊富なテスラが,電気の性質に基づいて
発電機を開発していったのは自明の理であったようだ。
エジソンは,”交流より直流の方が安全”と様々なデモンストレーションをし,テスラも負けじと
”交流の安全性をデモンストレーション”した。
◆火花散る発電機のそばで本を読むテスラの写真の切手↑
結果的に,交流が勝利するわけだが・・・。
”科学”は地球が滅びる・滅びないに関わらず,進歩を目指すもの。
あとは,マイナスの方向にいかに進まないか,修正していく科学技術を研究していくしかない。
*1:某宗教団体が彼の博物館を訪ねて研究資料を読んでいたとか話題になったぐらいか・・・
「ホッキョクグマ絶滅危惧種に」
米内務省は27日,地球温暖化の影響で危機にさらされているホッキョクグマを,
絶滅危惧種保存法の対象種に指定する方針を発表した。1年間かけて生息状況な
どを精密に調査したうえで指定を正式に決める。しかし,指定が温室効果ガスの
排出抑制には直結しないとの姿勢を強調しており,有効な保全策をめぐって今後,
論議を呼びそうだ。
ホッキョクグマの危機は,えさの捕獲や移動に必要な海氷が,温暖化で急減し
ているのが原因。同法は,対象種の保全策を講じるよう連邦政府機関に義務づけ
ているが,会見でケンプソーン内務長官は「同法で保全するのは種とその生息域。
気候変動は法の枠外」と強調した。「温室効果ガスの排出抑制以外に保全策はあ
るのか」との質問に対しても,同省は「1年間の調査を踏まえて検討する」と答
えるにとどまった。
ホッキョクグマは,北極圏に2万〜2万5000頭た生息しているとみられる。
【ワシントン=増満浩志】
(2006.12.28・木曜 読売夕より 引用)
日本では,ヒグマ・ツキノワグマが麓に降りてきて大騒ぎな後半年でしたが,
ツキノワグマも数が激減している。にもかかわらず,かなりの数が制限数もなく
射殺されたようだ。害獣駆除は××省,環境保全は○○省,生物保護は◆◆省等
と責任のなすりつけあいをせずに,もっとトータルな見方ができないものかなぁ。
追記2006.12.28「よみうり寸評」より
〈ノブレス・オブリージ〉----高い身分に伴う徳義上の責任。12年前に亡くなった
通産省OBの論客・天谷直弘さんの主要論文集のタイトルでもある。◆ノブレスは
高貴な人,オブリージは義務を負うこと。ノブレスはノーブルな志,理念,価値観を
持たなければならない。氏はしばしばこの言葉を使って「日本よ,堂々たる品格を持
て」と説いた◆天谷さんは〈町人国家路線〉から〈ノブレス路線〉への転換を提唱した。
金もうけと効率に関心を集中し,名誉も美もない国は自滅すると説いた。(後略)
(2006.12.28・木曜 読売夕刊より 引用)
”外国が良くて日本が悪い”等と野暮な事を言いたいのではないので・・・。
政治家(屋?)だけが,権力者だけが悪者の様に言われるが,果たしてそうなのかな?
(自分も含めて)義務教育とその上の教育を受けた者としての責任を考えた事がある
のだろうか?と思う事がある。「儲け・収入アップ・地位の向上」も必要だが,それと
同じくらい”高いノブレス”・”公共へのオブリージ”は必要だと思うのだが・・・。
それぞれの責任の範囲において,”辛い義務”でなく,”高貴な義務”としての思考力
が必要な時が切迫しているように思ったので,この寸評を取り上げた。
「社会の科学」における実験結果
今年は,教育問題が幾つも取りざされた*1。
その幾つかは,もう何年も前に問題として提起され,対策・方針も打ち出されていた。
つまり,「言葉だけの上下下達方式やペーパー・ワーク的な対策ではダメだ!」という
実験結果が示されたのだと心しなくてはならないのではないか。
「歴史は繰り返す」という言葉で,過去に蓋をしていく事が多いが,
まさに,「(学ばなければ)愚かな歴史は繰り返す」という事を強く噛みしめなくては
ならないのだろう。
十数年前にも「いじめ」に絡む自殺が相次ぎ,この時にも議論はなされている。
”再生委員会”の中から「出席停止」が強い口調*2で話題になったが,
11年前に提言され,5年前は運用しやすい(?)ように学校教育法も改正された。
それでも,運用しきれない。人間対人間さらに,それを括るように人間が上から監視するので
あるから運用もしにくいとも感じられる。
また,いじめを理由に進学する学校を選べることもこの25日の最終答申にある。が,この措置自体も
20年以上前に国が通知している。
では,教師や学校が手を抜いていると言うのだろうか?そういう人もいるかもしれないが,
概して,教師は”善意の人”である。どこの世界に教育に携わる人間で”この子供が愚かになる
ように指導しよう”等と考えるだろうか?
”子供と向き合え”という声も多い。が,子供に向き合うために,教師の(くだらないペーパー・
ワーク)多忙を解消するように配慮するのも先決だろう。そして,リーダーシップを取れるトップの
育成も大事だ。リーダーシップというと,「=権力的,恫喝的」な人物が幅を利かせることが多い。
だが,人間的魅力に乏しいリーダーには,誰も安心して付いて行くには逡巡するのではないか?
現内閣(この一つ前の独裁者もしかりだが)の言動を見れば一目瞭然であろう。
これを”教育問題”とだけに限定して見る事しか出来ないのでは,
あらゆる社会現象は「愚を繰り返す」に違いないと予想する・・・ああ,無情。
(典拠文献:2006.12.28・木曜 読売朝 解説部中西茂「潮流2006・いじめ自殺の教訓」)
「今日のノート」より
仕事納め
「テレビの父」と言われる高柳健次郎が,ブラウン管を用いて「イ」の字を電送・受像する
実験に成功したのは,80年前の年の瀬のことだった。
高柳は戦後,日本で初めてテレビ受像機を開発した日本ビクターに入社し,カラーテレビの
開発などに尽力。「研究は世のため,人の幸せのため」の信念で,創意・自主性を尊重し,後
進の研究者を指導した。
その薫陶を受けた後の副社長,高野鎮雄は76年に家庭用VHSビデオの開発に成功した。ソニー
の「ベータ」陣営との戦いに勝利したのは有名だ。
優れた技術者集団を擁し,技術力に定評がある名門企業も経営不振に陥り,親会社の松下電器
産業が株式の売却を検討している。その原因にデジタル家電への対応の遅れがある。
音響機器はデジタルAVが幅を利かせ,テレビはブラウン管から液晶プラズマといった薄型テレ
ビの時代だ。
シャープは,液晶テレビ用パネル製造の亀山第2工場(三重県)の生産能力を2ヶ月前倒しし
て倍増する。「勝ち組」と「負け組」の二極化ははっきりしてきた。
景気拡大局面は戦後最長の「いざなぎ景気」を抜いたが,すべての企業が好調ではない。ビク
ターのように苦境にある企業は少なくないだろう。
きょうは「仕事納め」。明日から休みに入る企業も多い。課題は残っただろうが,せめてこの
期間は仕事を忘れ,家族や自らの生き方について考える時間を持ちたい。(斉藤 治)
(2006.12.28・木曜 読売朝より 引用)
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高い先見性を持った技術者集団をもっときちんと評価してあげて欲しいなぁ。
「仕事納め」と言っても,これから,家事や掃除など休む暇もない人もいる。
サービス業には,年末年始は無いのに・・・。
「正月は哲学の時」,「大風呂敷を拡げても許される時」と言っていた先輩を思い出す。