magurit’s blog

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第15回ABCフレッシュ・コンサート

 1年ぶりかなぁ。音楽を聴きに出かける
 のは*1
 昨年は,どうしても聴きたいと思った
 コンサートが当たった*2
 順調に退勤しようとした処に,次々と
 同僚(先輩)が愚痴をこぼしに来て,
 オジャンになった(泣)。
 私は,オーソドックスな古典中心*3
 プログラムはまずいかないので,その時のピアノのコンサート・プログラムは滅多に無い取り合わせだったのだ。
 今年最初の招待コンサートは,正月の早朝特番で,募集していたものだが,内容も当選も期待はしていなかった。
 でも,返信ハガキの”当選”の文字とプログラムには久々に心が躍った。
 北欧はフィンランドの雄,シベリウスの「悲しきワルツ」と「ヴァイオリン協奏曲」。
 ソ連時代の鋼の作曲家兼音楽教育家,プロコフィエフの「ピアノ協奏曲第1番」。
 派手派手なチャイコフスキーの「アンダンテ・カンタービレ」と「ロミオとジュリエット」。
 私にとって,古典の含まれないプログラムほど愉しいものは無い。
 さて,近況報告を兼ねて,(母と同じ年の)OBを誘うことにした。
 「フレッシュ・コンサート」という名目なので,ソリストは20代前半の若手。 
 オケは,大阪センチュリー交響楽団
 大阪のオーケストラは,幾つかあるが,それぞれ弦が強いだの,金管が弱いだの,
 大味だのと,弱点がある。ただ,その弱点が時に大化けするのが魅力だったりする(苦笑)。
 この日もそれが顕著に現れたが,演目が勝ったとしか言えない*4
 まずは,静かに「悲しきワルツ」から始まった。
 初めて聞いたのは,冨田勲の第6アルバム『ヴァミューダー・トライアングル』。
 

バミューダ・トライアングル(紙ジャケット仕様)

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 その後,映画『ネオ・ファンタジア』の中で,ノラネコが深夜,街の中を彷徨う
 アニメーションのBGMに使われているのを見て,その映像と音楽のマッチに
 虜になった。もの悲しげな出だしなのだが,儚い夢のようなダンスが繰り広げられる
 ワルツ。そして,その夢が静かに終わって元に戻る様な曲。
 
ネオ・ファンタジア [DVD]

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 続いて,「ヴァイオリン協奏曲」
 第一楽章の弦のトレモロは,交響曲第1番の出だしとも似ているが,
 その後のソロの切なくも清々しいメロディは,北欧の厳しい自然の中,
 日の出を迎える静かな美しさだ。
 第二楽章も,情熱的に歌い上げた。いよいよ終楽章でテンポアップして
 ダイナミックに盛り上げて終わるだろうと思ったのだが・・・・。
 指揮者の解釈が一本調子でマズイのか,ソリストのスタミナが無いのか,
 テンポアップもフォルテにもならない中途半端な感じで終わってしまった。
 横のカップルが「ブラボー!」と吠えた時には,頭が痛かった*5
 一昔以上前にFMで聴いたCDとは,あまりにもかけ離れた
 ”モッチャリ”とした”ベチョベチョなたこ焼き”という演奏に「ブラボー」はちょいと・・・。
 ABCのクラッシック解説は,桂小米朝がすることが多いが,あの歯の浮いた様な高い声で,
 「いやぁ,なかなかの名演奏でしたな」と言うのだろうなぁと想像すると,
 大阪のオーケストラが伸びないのは,”阪神ファン阪神をダメにしてきた”過去と
 全くといっていい程,同じではないか,と思った*6
 休憩中に,OBが「2曲目(ヴァイオリン協奏曲)の第一楽章は北欧の雰囲気で良かった」と
 いみじくも言っていたとおりである。
 次なるは,プロコフィエフのピアノ協奏曲第1番。
 第3番は有名だが,1番を聴いた記憶は無いような気がした。
 作品10だから,交響曲第1番と頃を同じにしているのだろう,単楽章を3つのパートに
 分けた曲だった。しかし,だが,しかし,出だしから,”帝政ロシア”を想像させる様な
 ダイナミックな雰囲気と,プロコフィエフらしいピアノの叩き具合。気持ち良く聴けた。
 ピアニストも若いのだから,もっと,メリハリのある,力強く鍵盤を叩き続けて欲しかった。
 ギレリスのような,強い鋼鉄な演奏までは,期待はしないが,”柔らかい曲”では
 無いはずだから・・・。
 チャイコフスキーの「アンダンテ・カンタービレ」は,テレビ番組にはもってこいの
 選曲というのが丸出し(笑)。
 思い切って,ボロディンの「ノクターン」の方が良かったのでは?という気がしない
 でもない。どちらも,元が弦楽四重奏曲なんだから。
 そして,やたら派手な「ロミオとジュリエット」,ベルリオーズ?,プロコフィエフ
 数人の作曲家が同名の曲を書いているが,これほど派手派手な演奏は,ないだろう。
 お上品な口当たりの良い和菓子というより,人工甘味料たっぷりで甘ーい味付けをした
 ケーキのような曲なのだ。
 アンコールは,予想もしてなかった。あれで目一杯のはず。
 ラフマニノフのボカリーズだったが,誰の編曲版だろう。やたら,金管のリードが
 目立って,ちょっと気持ち悪い。
 さて,招待客なのに,辛口の感想だったかもしれない。
 でも,招待客が多いからと言って,下手な演奏でいいという道理は無いはず。
 だから,お金を出して聴きに行った時より,控えめにしているんですけどね(苦笑)。
 演奏の後,OBがウェスティングホテルにパンを買いに行くという。
 
   ↑舗道で見つけた,色つきのタイル。なかなか面白い。
   ↓ホテルで見つけたチョコレートの原料「カカオの実」
  

*1:といっても,ほとんどが,招待券をハガキでゲットしての事ですが:笑

*2:3回当たったのですが

*3:ベートーヴェンやモーツァルト

*4:テレビ収録もあったから,それなりに緊張感があったのだろう

*5:もちろん,彼らにとっては,ブラボーな演奏だったのだろうから,それを否定はしないけれど・・・

*6:大阪に30年住むアンチ巨人だけれど,阪神を好きにはなれない,アホらしくて・・・