magurit’s blog

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『シロツメクサ,アカツメクサ』

 

シロツメクサ、アカツメクサ (光文社文庫)

シロツメクサ、アカツメクサ (光文社文庫)

 現代耽美派の森 奈津子氏のホラー短編集(9本)。
 同社の『異形コレクション』に収録された作品が三分の二だが,
 怪奇怪奇してなくて,艶艶した話もあり,読みやすい(微笑)。
 内容は,ネタバレになるので,感想だけ。
  個人的な好みからすると「1977年の夏休み」・「翼人たち」*1
 たいそう気に入りました(どちらも『異形コレクション』未収録)。
  語り口の心地よさ(なんて偉そうな!)としては,
 「過去の女」・「語る石」がオチも予想されるのだけれど,
 エンディングが温かくて,ホッとします。
 また,「グラスの中の世界一周」は,ちょっと式貴士を彷彿させる
 感じがして,愉しめました。
  帯を書いているのが,岩井志麻子

 魂と引き換えにしろとまではいいません。
 でも,森 奈津子の”甘い毒杯”を呷りたいならば,
 何かを犠牲にしなくてはいけませんよ。
 ・・・・飲んだ後,あなたに決して後悔はさせないと
 約束もしましょう。
 さぁ,どうぞ。

 うまいこと,いうなぁ(笑)。
 
 表紙裏の森さんの写真,和服でした。
 藍川京氏といい,和服が流行りなのかな。

 ツルッと読める短編集。
 オススメです。

 

カンタン刑 (角川文庫 緑 509-1)

カンタン刑 (角川文庫 緑 509-1)

*1:一瞬,先日読んだ「籠の中の鳥」山岸涼子『天人唐草』所収と似ている話?とも思いましたが違いました