- 作者: 中山可穂
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/05/01
- メディア: 文庫
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神経を研ぎ澄ますようにして読む長編の後,しばらく手が出なかった。
何度も手にとって読み始めたのだが,出だしでさえ記憶に残らない。
そうこうしてるうちに文庫版『ジゴロ』が出た。
文庫というのは,安いのにオマケがあって,ちょっと得した気分になる(微笑)。
ここで言う,オマケとは,「解説」や「文庫版のためのあとがき」。
短編5編は,カイを語り部に,それぞれの女性達の人生のつかの間の
ときめきと哀しさを紡いでくれる。
あっさりと,それでいて,セリフの一つ一つに込められたユーモアの裏側。
「ダブツ」・「恋路すすむ」・「上海動物園」・(解説)・
「ラタトゥイユ」・「ジゴロ」の順に数日に分けて読んだ。
「恋路すすむ」と「上海動物園」が特に面白かった。
カイとメグのこうした短編の続きが読みたくなる。