magurit’s blog

はてなダイアリーからの移転です!

『ジゴロ』中山可穂

 

ジゴロ (集英社文庫)

ジゴロ (集英社文庫)

 『マラケシュ心中』の読了後,『ジゴロ』と『弱法師』が控えていたのだが,
 神経を研ぎ澄ますようにして読む長編の後,しばらく手が出なかった。
 何度も手にとって読み始めたのだが,出だしでさえ記憶に残らない。
 そうこうしてるうちに文庫版『ジゴロ』が出た。
 文庫というのは,安いのにオマケがあって,ちょっと得した気分になる(微笑)。
 ここで言う,オマケとは,「解説」や「文庫版のためのあとがき」。
 短編5編は,カイを語り部に,それぞれの女性達の人生のつかの間の
 ときめきと哀しさを紡いでくれる。
 あっさりと,それでいて,セリフの一つ一つに込められたユーモアの裏側。
 「ダブツ」・「恋路すすむ」・「上海動物園」・(解説)・
 「ラタトゥイユ」・「ジゴロ」の順に数日に分けて読んだ。
 「恋路すすむ」と「上海動物園」が特に面白かった。
 カイとメグのこうした短編の続きが読みたくなる。