もがくだけで終わった一年だったような・・・・。
ずっと,ずっと,ただただ,もがきつづけ,
諦めることも知らず,
寄りかかるものも見つからず,
社会に貢献することもなく,「齢」だけ重ねた。
なんとも,無責任な
なんとも,無節操な
なんとも,愚かな
毎日の繰り返しよ。
そして生まれたからには,一度だけ体験する
原子への里帰りの日だけが,刻一刻と近づいているのを
寒々とした心の奥底から,
恐れおののき,淋しく涙していくしかないのだ。
その為の古き日の波,波,波。
色褪せて見えていたあの頃が,
肉体が汚く衰えていくにつれて
輝きが増していく。
何度「もう終わりにしてくれ」と涙したことか。
しかし,見苦しくも「齢」を重ねている親不孝な自分が
一人立って,喚いている・・・・。
- 作者: 茨木のり子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1999/10/01
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