magurit’s blog

はてなダイアリーからの移転です!

熱で朦朧とした意識の中

         (『紋切り型』,三つ持ち合い細桔梗)→*1



 少しでも,気力をもらおうと,
 

スティーブ・ジョブズ-偶像復活

スティーブ・ジョブズ-偶像復活

 を,後半部から,ポツポツと夢うつつで,読んでいた。
 倒産寸前から,ギル・アメリオの登場と,PIXR社の話,暫定CEO,
 ビル・ゲイツとの(戦略上の)和解,iPod・・・・。

 前半は,ジョブズの生い立ちや,アップルⅡ,マッキントッシュ,スカリーとの
 確執が目次から読めたので,「復活していく」姿を自分に重ね合わせたいという
 思いが,開いたページが後半のまさにその部分だった。

 「決して諦めない」彼の姿は,凄まじいにつきるが,誰でもできることではない。
 また,そうしたところで,彼の様に成功*2するとは限らない。いや,しない方が多いだろう。

 ヤンチャ坊主の様に形容されてきたジョブズも,振る舞いが成熟した人間に
 変貌していっているのが,iPodを通じて,音楽業界を変える仕事についての章で
 感じられた。「成長するって,いいなぁ」と「その為に捨て去った,失った何か」に
 思いを馳せた。
 この本を読んでいて,もう何年も使い続けているPowerMac8500/120を買ってから
 の世間の動向を思い返した。8500/120は,PCIスロットが多くて,拡張の幅が広いのが
 魅力で買った。*3しかし,新製品とい
 うのは,バグが多いのも宿命。プリンタを認識しなくなった。アップデートのFDが,
 次々と送られてくる*4。もう,アップルもダメかと思っていた頃,世間は,PDAが
 流行し,元祖,ニュートンよりも,シャープのザウルスやスリーコムのパームが人気だった。私もパームの
 平行輸入版を買い,日本語パッチを当てて使っていた。オーロラ行にも持って行った。
 でも,今は使っていない。iPodのこれからが愉しみであると同時に,またまた,
 ジョブズが”新しい何か”を引っさげてエクスポに登場するのだろう。
  
 

マッキントッシュ その赤裸々な真実!―Macintosh the Naked Truth

マッキントッシュ その赤裸々な真実!―Macintosh the Naked Truth

  
 私は,無下に”歪んだ窓”を非難しているのではない。
 SEでもなんでもないマック使いに,”歪んだ窓”環境の職場で質問をする。
 「・・・やってみますけれど,先に保存してください。もし,うまくいっても,
 偶然ですから・・・。」と必ずお断りをしてから,作業にとりかかる。
 概して,うまくいく場合が多いが,マックと似ているからに過ぎない。
 本当に偶然なのだ。「謙譲の美徳」は好きなのだけれど,本当に偶然なのだ。

 でも,その言葉も額面通りには取ってもらえない(涙)。そして,不当な仕事の
 山がやってくる・・・。「覚えさせられる」という不快感を与えてくれる
 「2ボタンマウス」*5・・・・・(泣)。
 「学ばない大人」,「最低限の基本を調べもせず,質問し,あわよくば作業を
 押し付けてくる大人」*6

  祝辞では,毎朝,「今日が人生最後の日だとしても,今日,する予定外のことを
 したいと思うか」と自問するという話も紹介された。妻,ローリーンとの初デート
 を決めたときだけでなく,毎朝,自問自答しているらしい。この答えが「ノー」と
 なる日が続くなら,自分の人生,何かが間違っており,軌道修正しなければならな
 いというわけだ。
  我々凡人が毎朝自問自答して,分別くさくならず,ハングリーであり続けたから
 といって,スティーブ・ジョブズと同じことが達成できるわけではない。1976年,
 ジョブズがアップルⅡのプロトタイプを携え,はじめて参加した展示会には,ほか
 にもたくさんの人々が出展していた。その大半が,無名の人物としてITの歴史に
 埋もれてしまったことを見ても,ジョブズの非凡さがよくわかる。それでもなお,
 1日,1日,人生最後の日を積み重ねてゆけば,我々にも何かができるのではない
 か,そう思わせてくれるものが,ジョブズの人生にはあると思う。
    『スティーブ・ジョブズ 偶像復活』「訳者あとがき」525〜526頁より

*1:エクスプランテ,『紋切り型・い〜への巻』より

*2:並々ならぬ苦労もあるけれど:それは本を読んでください。

*3:そのころ,アップルは赤字決算を続けていた

*4:当時,タワー型函体だけは気に入らなかったから,唯一,「下取り」に出してもいいマックと思って使っていたが,今では大事なパートナー。マックで考え,マックで書く。これが道具としての最大の魅力なの。例えば,作家にとっては,パーカーの万年筆で,考え,作品を書く。三菱鉛筆で考え,三菱鉛筆で書く。と同じ様に道具の相性って大事だと思う。猫も杓子も”歪んだ窓”で”事務所”というソフトでしか仕事をしないなんて,ロボトミー手術を施された奴隷ですね

*5:個人的には,トラックボールが場所も取らず好きで使っている。ケンジントンのターボマウスはボールの大きさといい,秀逸です。

*6:FM-7で,CP/M80のソフトを使う為に,書物にどれだけ投資しただろう。簡単に「聴けばいい」という感覚になれる人が羨ましい。各種高級言語に,データベースに表計算ソフト。インターネットもなく,『I/O』で実験的にパソコン通信が始まった頃の話。