(『紋切り型』,三つ持ち合い細桔梗)→*1
少しでも,気力をもらおうと,
- 作者: ジェフリー・S・ヤング,ウィリアム・L・サイモン,井口耕二
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2005/11/05
- メディア: 単行本
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倒産寸前から,ギル・アメリオの登場と,PIXR社の話,暫定CEO,
ビル・ゲイツとの(戦略上の)和解,iPod・・・・。
前半は,ジョブズの生い立ちや,アップルⅡ,マッキントッシュ,スカリーとの
確執が目次から読めたので,「復活していく」姿を自分に重ね合わせたいという
思いが,開いたページが後半のまさにその部分だった。
「決して諦めない」彼の姿は,凄まじいにつきるが,誰でもできることではない。
また,そうしたところで,彼の様に成功*2するとは限らない。いや,しない方が多いだろう。
ヤンチャ坊主の様に形容されてきたジョブズも,振る舞いが成熟した人間に
変貌していっているのが,iPodを通じて,音楽業界を変える仕事についての章で
感じられた。「成長するって,いいなぁ」と「その為に捨て去った,失った何か」に
思いを馳せた。
この本を読んでいて,もう何年も使い続けているPowerMac8500/120を買ってから
の世間の動向を思い返した。8500/120は,PCIスロットが多くて,拡張の幅が広いのが
魅力で買った。*3しかし,新製品とい
うのは,バグが多いのも宿命。プリンタを認識しなくなった。アップデートのFDが,
次々と送られてくる*4。もう,アップルもダメかと思っていた頃,世間は,PDAが
流行し,元祖,ニュートンよりも,シャープのザウルスやスリーコムのパームが人気だった。私もパームの
平行輸入版を買い,日本語パッチを当てて使っていた。オーロラ行にも持って行った。
でも,今は使っていない。iPodのこれからが愉しみであると同時に,またまた,
ジョブズが”新しい何か”を引っさげてエクスポに登場するのだろう。
マッキントッシュ その赤裸々な真実!―Macintosh the Naked Truth
- 作者: Scott Kelby,大谷和利
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松下で呆れアップルで仰天したこと―エンジニアが内側から見た企業風土の真実
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私は,無下に”歪んだ窓”を非難しているのではない。
SEでもなんでもないマック使いに,”歪んだ窓”環境の職場で質問をする。
「・・・やってみますけれど,先に保存してください。もし,うまくいっても,
偶然ですから・・・。」と必ずお断りをしてから,作業にとりかかる。
概して,うまくいく場合が多いが,マックと似ているからに過ぎない。
本当に偶然なのだ。「謙譲の美徳」は好きなのだけれど,本当に偶然なのだ。
でも,その言葉も額面通りには取ってもらえない(涙)。そして,不当な仕事の
山がやってくる・・・。「覚えさせられる」という不快感を与えてくれる
「2ボタンマウス」*5・・・・・(泣)。
「学ばない大人」,「最低限の基本を調べもせず,質問し,あわよくば作業を
押し付けてくる大人」*6。
祝辞では,毎朝,「今日が人生最後の日だとしても,今日,する予定外のことを
したいと思うか」と自問するという話も紹介された。妻,ローリーンとの初デート
を決めたときだけでなく,毎朝,自問自答しているらしい。この答えが「ノー」と
なる日が続くなら,自分の人生,何かが間違っており,軌道修正しなければならな
いというわけだ。
我々凡人が毎朝自問自答して,分別くさくならず,ハングリーであり続けたから
といって,スティーブ・ジョブズと同じことが達成できるわけではない。1976年,
ジョブズがアップルⅡのプロトタイプを携え,はじめて参加した展示会には,ほか
にもたくさんの人々が出展していた。その大半が,無名の人物としてITの歴史に
埋もれてしまったことを見ても,ジョブズの非凡さがよくわかる。それでもなお,
1日,1日,人生最後の日を積み重ねてゆけば,我々にも何かができるのではない
か,そう思わせてくれるものが,ジョブズの人生にはあると思う。
『スティーブ・ジョブズ 偶像復活』「訳者あとがき」525〜526頁より
*1:エクスプランテ,『紋切り型・い〜への巻』より
*2:並々ならぬ苦労もあるけれど:それは本を読んでください。
*3:そのころ,アップルは赤字決算を続けていた
*4:当時,タワー型函体だけは気に入らなかったから,唯一,「下取り」に出してもいいマックと思って使っていたが,今では大事なパートナー。マックで考え,マックで書く。これが道具としての最大の魅力なの。例えば,作家にとっては,パーカーの万年筆で,考え,作品を書く。三菱鉛筆で考え,三菱鉛筆で書く。と同じ様に道具の相性って大事だと思う。猫も杓子も”歪んだ窓”で”事務所”というソフトでしか仕事をしないなんて,ロボトミー手術を施された奴隷ですね
*5:個人的には,トラックボールが場所も取らず好きで使っている。ケンジントンのターボマウスはボールの大きさといい,秀逸です。
*6:FM-7で,CP/M80のソフトを使う為に,書物にどれだけ投資しただろう。簡単に「聴けばいい」という感覚になれる人が羨ましい。各種高級言語に,データベースに表計算ソフト。インターネットもなく,『I/O』で実験的にパソコン通信が始まった頃の話。