magurit’s blog

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舘野泉氏,左手でカムバック!

 (仕事が忙しく1ヶ月半ぶりの更新になりました。)

風のしるし-左手のためのピアノ作品集

風のしるし-左手のためのピアノ作品集

  1月頃でしたか,フィンランド在住のピアニスト舘野泉氏が,
 脳溢血で倒れていた事を知り,慌てた。

  フィンランドの大作曲家,シベリウスの美しいピアノ小品を
 紹介され,(特に「樹の組曲」には何度も涙を流しているが)
 メリカントやパルムグレンやハンニカイネン等,北欧の作曲家を精力
 的に演奏されてきただけに驚きであった。
ひまわりの海
  幸いその番組では,リハビリによって,「左手のための作品」を
 弾き始めているとのことで胸をなでおろしました。
 その辺りのいきさつを知りたく『ひまわりの海』を読みました。

 なるほど,私も「左手のための作品」というと「ラヴェルのピアノ
 協奏曲」が真っ先に頭に浮かんでしまう。しかし,氏にとっては,
 そういうステレオタイプの発想が嫌だったんですよね。

星にとどく樹―世界を旅するピアニスト
 フィンランドでの生活を『星にとどく樹』に知り,シベリウス公園と
 ムーミンの国にオーロラ・ウォッチングに出かけたのは5年前の春。
 初めての海外旅行で,ツアーとはいえ,添乗員無しの個人旅行形式。
 不安と緊張の中,思ったより暖かい気候と,ハニカミやだけど温かく
 親切なフィンの人々。私も一度で大好きな国になった。

 さて,この『風のしるし』というアルバムですが,
 秀逸はなんといっても
  バッハ/ブラームスシャコンヌ
 でしょう。カザルスの「鳥の歌」と肩を並べてもおかしくないほど,
 心を打ちます。スクリャービンの小品も,あの幻想・官能的な響きの
 作曲家の作品かと思う程,素敵な音を聞かせてくれます。

 通勤の行き帰りの車でリピートで何度も聴いていますが,心穏やかに
 燃費も上がるリラックス運転が出来ています。
 (先月最後の日記で紹介した「アレクサンダー」では,つい力が入っ
 た運転になってしまいますが元気の無い時にはねぇ:笑)

ひまわりの海?セヴラック:ピアノ作品集

ひまわりの海?セヴラック:ピアノ作品集

 併せて『ひまわりの海 セヴラック・ピアノ作品集』もなかなかいい
 曲が集まっています。あまり知られていない作曲家かもしれませんが,
 このアルバムで広まるといいなと心から思います。

 心配なのは,テレビの扱いによって,フジコ・ヘミングブーニン
 ような変なブームにならないことを祈るだけです。
 
 舘野氏の作品は,北欧の芸術文化を知る上でも貴重なものです。
 私は,もっと北欧の国々の考え方が日本で採用されるといいなと思う
 今日この頃です。