magurit’s blog

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トランスな世界

 No.282
  ●投稿者:マグリット(♂)
  ●投稿日:03月21日(日)00時00分40秒

   ◆不条理との闘い
    先日以来続いていた,派閥争いに決着がついた。
   私は派閥作りが嫌いなので,創業者の意志に基づいて
   筋の通る行動をしようと腹を決めた。
    創業者サイドを蹴落として,無能な社長の息子に取り入り
   騙して,地位を得ようとする男達が会社を危機に陥れていく
   状況を手をこまねいて見ているわけにはいかない。
    彼らの不正の証拠をひとつひとつ,何年もの資料を遡って
   探していった。
    そして,彼らがした失態の幾つかを見つけ,その時の成り
   行きを辿っていった。すると,案の定,その失態に隠蔽工作
   を指示し,施した人物が浮かび上がった。
    古参の社長秘書が,最も嫌っている人物だった。
   その資料を秘書から社長に渡してもらった。
    新しいプロジェクトの会議は,延期が繰り返された。人事
   異動も延期された。
    かすかな望みの火が点ったかに思えた。
   新しいプロジェクト会議の席上,意気揚々と傀儡政権を作ろ
   うとしていた男は,前日の打ち合わせで,これまでの内規を超
   法規的処置で乗り切ろうと画策していた。
    しかし,そこに,社長の「待った!」が入った。必死に食い
   下がる男。その男によって見直された内規を手に,社長は超法
   規的処置を拒み続ける。会議の席上,他の意見を求める。これ
   までの会議ではなかったことだった。
    その男に踏み台にされ,苦渋を呑まされ続けた人々にとって,
   溜飲を下げる一瞬だったに違いない。
    「自分たちが決めたことを自分で破るというのはおかしくない
   か?よって,否決する。」
   しかし,翌日の人事異動の席上,社長は息子に席をゆずった。
   そして,息子の両隣には・・・・・・。
   社長は,早くから息子に譲る気持ちを固めていたのだろう。
   だが,その側近が息子を利用して会社をダメにしていく事が
   わかった時点で,最後に筋を通そうとしたのだと思う。
    立派な人だった。そんな人の下で仕事をしてきた事を誇りに
   思う。
   「無理が通れば道理もひっこむ」そんな言葉があったなぁ。