magurit’s blog

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切ない寅さん・・・(泣)

 

男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 [DVD]

男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 [DVD]

 夕食後,うとうとしながら,BSの「男はつらいよ」をなんとはなしに聴いていた。
 浅丘ルリ子のリリーと寅さんの3作品の中でも,好き合っていながら,結ばれる事を
 遠慮しながら,かわしつづける,へそ曲がりな二人を上手く描いている。
 一方的な片思いで,それとなく,想いが叶わぬ事を知るパターンとは違う。
 そこに,友情とも愛情ともつかない情けが交わされる。
 ストーリーは,ネタバレになるが・・・(今更,知らない方も少ないかな?)。
  沖縄で病に倒れたリリーからの速達で,寅さんは飛行機で飛ぶ。
 看病しながらも,多くの病人に笑いを誘う寅。甘えるリリー。
  退院して,リリーと寅さんは沖縄で知り合った一家の家に,
 同居していた*1
 そして,貯金が底をついたリリーが,仕事をすると言いだした。
 寅「・・・そんなの俺がなんとかすらぁ・・」
 リリー「男に養われるのはイヤだね」
 寅「そんな,水くさいこと言うなよ」
 リリー「あんたが亭主ならね・・・。結婚して,亭主なら
     それも聞けるんだよ・・・・。」
 一家の息子に「リリーさんは,寅さんを愛してるのに,どうしてもっと
 優しくしてあげんと・・」と言われ,カッとなって喧嘩に。
 翌日,一人リリーは,飛行機に乗り沖縄を後にする。 
 謝りに来た寅は,リリーが出ていった事を知り追いかけるが・・・。
 沖縄から,3日間,飲まず喰わすの寅さんが,柴又に帰ってきている
 処へ,リリーが訪ねてきた。道で,抱き合う二人。
 寅屋の奥で,沖縄でのバカ話に花が咲く二人。心配顔のさくらはヒロシを
 呼びに行き,二人の会話に耳を傾けるが,そのときふいに,寅が,
 寅「・・・リリー,俺と所帯持たないか?」
 寅屋の面々はシーンとして,顔を見合わせる*2
 一瞬の間があって,
 リリー「・・・沖縄は,暑かったから,夢を見てるのよ。夢よ。」
 寅「・・・ハハハ,ちげぇねぇ。暑かったから夢見てるんだぁ」
 おもむろに立ち上がって,庭に出る寅さん。
 ポツンと一言,
 寅「夢かぁ・・・」
 駅で,リリーを送る,寅とさくら。寅は,少し離れている。
 そのスキに,
 さくら「あのさっきの夢って,お兄ちゃん結構本気だったのよ」
 リリー「うん,わかってる。でも,あぁしか答えられなかったのよ」
 複雑な表情のさくら。
 リリー「寅さん,私がまた,どっかで倒れたら,助けに来てくれる?」
 寅「あぁ,どこへでも,飛んでいってやるよ,安心しな。」
 エンディング,山中のバス停で,巡業バスに乗ったリリーと出会う。
 リリー「・・・一体,ここで何してたの?・・・」
 寅「(そこまで,姉さんと言っていたのが)リリーの夢を見てたのさ」
  (浅丘ルリ子の)リリーの話は,これまではあまり好きではなかった。
 どこが,どうというのかは,わからない。
 何度か見たが,今回,初めて,涙が止まらなかった。
 涙もろくなったのか・・・。

8月4日は,渥美清の命日だった。

 次回作は,マドンナの伊藤蘭夜間学校に通うのを,送り迎えし,
 ついには,学校の授業まで受けてしまう,秀逸な作品。
 友人の話によると,学校によっては,映画鑑賞で「男はつらいよ」の
 この作品を見せるとか。その後の感想文は,抜群にいいらしい。
 行きたくない学校に,仕事をしながら夜間学校に通う人達と
 教師に,寅さんが,「あーでもない,こーでもない」と結果的に
 引っかき回してしまう。松村達雄の校長のセリフも素敵だった。
 教育関係の方(特に成果第一主義の管理職殿),ゼヒ,ご覧ください。
 オススメです!*3

*1:同棲ではない。リリーははなれで寝泊まり

*2:前日の夜に,さくら夫妻とおいちゃん,おばちゃんから,女からプロポーズしてくれてるのに,なんてヤツだと罵られていた

*3:「ふん,こんなの理想論だよ。学校も経営なんだよ」という遠吠えか,負け惜しみが聞こえるという予想の元の皮肉。