- 出版社/メーカー: 松竹
- 発売日: 2005/07/29
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浅丘ルリ子のリリーと寅さんの3作品の中でも,好き合っていながら,結ばれる事を
遠慮しながら,かわしつづける,へそ曲がりな二人を上手く描いている。
一方的な片思いで,それとなく,想いが叶わぬ事を知るパターンとは違う。
そこに,友情とも愛情ともつかない情けが交わされる。
ストーリーは,ネタバレになるが・・・(今更,知らない方も少ないかな?)。
沖縄で病に倒れたリリーからの速達で,寅さんは飛行機で飛ぶ。
看病しながらも,多くの病人に笑いを誘う寅。甘えるリリー。
退院して,リリーと寅さんは沖縄で知り合った一家の家に,
同居していた*1。
そして,貯金が底をついたリリーが,仕事をすると言いだした。
寅「・・・そんなの俺がなんとかすらぁ・・」
リリー「男に養われるのはイヤだね」
寅「そんな,水くさいこと言うなよ」
リリー「あんたが亭主ならね・・・。結婚して,亭主なら
それも聞けるんだよ・・・・。」
一家の息子に「リリーさんは,寅さんを愛してるのに,どうしてもっと
優しくしてあげんと・・」と言われ,カッとなって喧嘩に。
翌日,一人リリーは,飛行機に乗り沖縄を後にする。
謝りに来た寅は,リリーが出ていった事を知り追いかけるが・・・。
沖縄から,3日間,飲まず喰わすの寅さんが,柴又に帰ってきている
処へ,リリーが訪ねてきた。道で,抱き合う二人。
寅屋の奥で,沖縄でのバカ話に花が咲く二人。心配顔のさくらはヒロシを
呼びに行き,二人の会話に耳を傾けるが,そのときふいに,寅が,
寅「・・・リリー,俺と所帯持たないか?」
寅屋の面々はシーンとして,顔を見合わせる*2
一瞬の間があって,
リリー「・・・沖縄は,暑かったから,夢を見てるのよ。夢よ。」
寅「・・・ハハハ,ちげぇねぇ。暑かったから夢見てるんだぁ」
おもむろに立ち上がって,庭に出る寅さん。
ポツンと一言,
寅「夢かぁ・・・」
駅で,リリーを送る,寅とさくら。寅は,少し離れている。
そのスキに,
さくら「あのさっきの夢って,お兄ちゃん結構本気だったのよ」
リリー「うん,わかってる。でも,あぁしか答えられなかったのよ」
複雑な表情のさくら。
リリー「寅さん,私がまた,どっかで倒れたら,助けに来てくれる?」
寅「あぁ,どこへでも,飛んでいってやるよ,安心しな。」
エンディング,山中のバス停で,巡業バスに乗ったリリーと出会う。
リリー「・・・一体,ここで何してたの?・・・」
寅「(そこまで,姉さんと言っていたのが)リリーの夢を見てたのさ」
(浅丘ルリ子の)リリーの話は,これまではあまり好きではなかった。
どこが,どうというのかは,わからない。
何度か見たが,今回,初めて,涙が止まらなかった。
涙もろくなったのか・・・。