magurit’s blog

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トランスな世界

No.18

●投稿者:マグリット(♂)
●投稿日:05月04日(土)02時26分13秒

◆「○○の力」

 最近よく目につくのは,「○○の力」という言葉。
 政治力・重力・人力・経済力・体力・軍事力・学力・・・・。

 特に気になるのは,「本当の××力」という類。

 そもそも「力」という概念は,近代物理学で完成されたもの。
 F=ma(力=質量×加速度)なる式を暗記したことのある方もあられる
ことだろう。
 「自然科学でもない経済や政治に使うな!」なんて,ヤボな事は言うまい。
いや,政治・経済でも,上のニュートンの第一法則の式は成立するのである。

 そもそも,「加速度」というのは,時間の関数であるから,「力は,質量
と時間を掛け合わせたものといえる」のだ。これを「力積」という。

 例えば,お寺の鐘を指一本で動かしたかったら,ずっと指に力を加え続け
ればいいのである。すると,だんだんと鐘は,動き始める。

 政治・経済のいわゆる社会科学の世界であっても,弱い力でも長時間加え
続けると,動くのである。過去の歴史を見ると,そのことは,自明である。

 そんな中,気になる力は,「本当の○力」という言葉である。本当の学力・
本当の精神力・・・・・。
 本当というからには「嘘の力」があるのだろう。それをきちんと定義して
欲しいと思うのは「天の邪鬼」なのだろうか。

 「科学は,数字でモノを言うから冷たい」という人がいる。
 しかし,そうだろうか?
 科学は,数字で結果を論じるからこそ,身分差別も職業の貴賎もないのだ。
むしろ,数字は温かいと言えるのではないだろうか。

 目くじらをたてるように,学校の週5日制を非難する輩がいる。「学力が
低下する」,「円周率が3だなんて,私でも3.14ぐらい覚えられる」
土曜日の休日が増えるといっても,年間十数日。それぐらいで落ちる学力なら,
元々の教育プロセスに問題があるのでは,ないか?
 根本的な部分を抜きにして語る風潮が怖い。