magurit’s blog

はてなダイアリーからの移転です!

ミニチュアって,どうして惹きつけられるのでしょうかねぇ。

  id:SIMさんの紹介されていた
   芳賀一洋さんのHP(http://www.ichiyoh-haga.com/jp/)。
  いやぁ,凄い。リアルです。
 「Structure*1」は縮尺80分の1でつくられた昭和初期の日本。
 「Art in box*2」は縮尺12分の1の第二次大戦直後のパリ。
 当時*3なんて,もちろん知りませんがその味わいに目が潤みます。
  人形が無いのに,生活臭を感じます。
 ソーセージ,パンが焦げる匂いやそ工場の油の臭い。

ICHIYOH (芳賀一洋立体絵画セレクション (Vol.1))

ICHIYOH (芳賀一洋立体絵画セレクション (Vol.1))

  ミニチュアって,生活実用度は低いのに(低いから?),
 そこで起こる(はずは無いけど)”夢物語”にワクワクしてしまいます。
 同じミニチュアを見ても,当然,人それぞれ”思い描くもの”は違うでしょう。
 その絵の数だけ,ミニチュア世界は温かさを抱えるのかもしれません。
 滲み出るワクワクや,ホッこりした気分というのが,痛切に必要なほど,
 今の社会を生きるのは大変なことなのでしょうねぇ。嫌だなぁ。辛いねぇ。ハァ。
 でも,そんな苦痛を一時忘れて,リリパットの住む世界を探索したいと思いました。
  都市計画や改築ビルの完成模型(頭の中や紙,言葉に寄るものも含めて)には,
 大抵「手を繋いだ親子」の人形がミニチュアとして置かれているような気がします。
 広々とした模型の中に数える程の人形。古い外国ドラマに見られた日本の生活とは
 違う豊かな物質世界の幻想を未だ引きずっているのかな。つくづく生活感の無いことに
 いま気が付きました。人の姿が見えないのに,決して美しい大自然という感じではないのに,
 廃墟やコンビナートの写真集が人気なのは,そこで生きていた人々,それを作った人々の
 豊かな思いが漂っているからなのかもしれません。
  満員電車の中の様に,波が押し寄せる様にごった返す人々を,模型の中に再現したら,
 いたたまれない気分になるのでしょうか。ちょっとだけ,見てみたい気もします。
 ただし,YMOのレコードジャケットの様なのはゴメンです。
 政治屋や首長たちの空虚な頭脳中の模型世界に,人々の苦悩する顔が溢れて欲しいものです。
 
X∞増殖(マルティプライズ)

X∞増殖(マルティプライズ)