magurit’s blog

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うめ吉 『お座敷小唄』

 毎月届く
  『Link Club Newsletter 12月号*1』の
 「NEW WAVE」で紹介されていた記事。
 「じゃぱん・るねさんす
   俗曲師*2・うめ吉が伝える日本文化*3
 

お座敷小唄(DVD付)

お座敷小唄(DVD付)

 俗曲師・うめ吉の誕生は新橋の芸者さんの
 ”東おどり”を見て衝撃を受けたのがきっかけだとか。
 芸者になりたいと親に懇願したが大反対を受ける。
 そこで,国立劇場の寄席囃子研修生となり,2年間の研修の後,
 落語芸術協会所属のお囃子連として,落語家の出囃子を三味線
 で弾くようになる。
      

 「・・・
   江戸時代のこういう音楽って,今のJ−POPの原点なんだと思います。昔の
  流行歌で,庶民がふつうに口ずさんでいたんですから」
 「 演歌はすごく新しい音楽で,江戸時代からある音楽とは,まったく違うジャンル
  だと思ったほうがいいかもしれませんね」
 「 三味線音楽にはもともと音符がないですから,すごく幅が自由です。音符にも間
  にも,伸び縮みとかの立体的な余裕があって,いろんな空間に遊べる自由さがあり
  ます。ちゃんときれいに弾く今の音楽のほうが,自由さは少ないんですよ」
 「 例えば映画でも音楽でもそうなんですけど,日本人はこんなにリズム感がよかっ
  たのにある時期で失われてしまった,と感じることがいっぱいあります」
 「・・・。
   昔の音楽には,日本人独自の自由な発想のなかで弾いて,ちゃんとノレるもの
  があるんです。私達はそれを知らないんです。戦後,西洋音楽のスタンダードで
  音楽が判断されるようになって,私達は邦楽ってつまらないものだって思いこん
  でいるわけです」

  2006年,5都市8カ所のアメリカツアーを成功させた。

 「 行く前には,受け入れてもらえるんだろうか,とかいろいろ考えました。けど
  実際やってみると,むしろ,日本人にしかわからないような曲で地味なことをやっ
  たほうが反応はよかったです。日本人にとっては懐かしいですけど,アメリカ人
  にとっては新鮮ですから」

 このCDには
  ・お座敷小唄
  ・月がとっても青いから
  ・三味線ブギウギ
  ・山中節
  ・お座敷小唄(オリジナル・カラオケ)
 に加えて,DVDが付いている*4
  ・お座敷小唄
  ・月がとっても青いから
 私が幼い頃から聴いたことがあったのは,
  ”お座敷小唄”と”月がとっても青いから”ぐらい。
 どちらもPOP*5だが,古臭さ*6も残っていて面白い。
 記事中,彼女の語る内容にも好感をもてる。
 自分の”したい仕事”の為には,アプローチする方向を変える柔軟性。
 そして,実現と緩やかな変容。この先,どう変化していくのか愉しみだ。
 ”俗曲師・うめ吉”覚えておきたい。オススメの一枚。

*1:http://www.kinkclib.jp/

*2:「落語の合間に演じる色物芸人の中で,戦前の流行歌・都々逸・端唄などのレパートリーを三味線を弾きながら歌う芸人」:『Link Club Newsletter 12月号』より引用

*3:http://www.satoh-k.co.jp/ume/

*4:この値段で2枚付いていると得した気分

*5:アルバムによっては,日本髪に着物でヘッドマイクを付けて三味線を抱えている:まるで映画「ブレードランナー」のビル広告を彷彿とさせる

*6:白黒映画のような懐かしさ