id:dekoponnさんの書評を
読んで,読みたくなった。
『ダヴィンチ』で好評連載
中*1の
「テレプシコーラ 舞姫」を
書いた人が,どんな話を描く
のだろうか?と思ったのも
一つ。
- 作者: 山岸凉子
- 出版社/メーカー: 潮出版社
- 発売日: 2006/06/01
- メディア: 文庫
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (16件) を見る
「白眼子」と,戦災孤児同然の状態で「白眼子」
に引き取られた光子*2との
不思議な繋がりを描いた作品。
三船千鶴子の透視実験の実話があるので,
結末に不安を感じたが,見事に裏切られた。
詳しいアラスジは,これから読まれる方の
為に置いておきたい(笑)。
一昨日の夕食時に映っていたテレビのせいか,
白眼子は「加藤剛に,似ているなぁ」と,
加藤剛の声と雰囲気で,読んでいました。
光子は,宮沢りえ?かな。
とても,いい話でした。
私は個人的に”迷信・占い・超能力”を現代の科学*3と
して肯定しないので(話は好きですが:笑)すが,人間ドラマとして良かった。
「テレプシコーラ」同様,内面を深く掘り下げるのが巧い作家ですね。
併録の「雨の訪問者」は,ファンタジー要素もあってさらっと流してます。
- 作者: 山岸凉子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1994/03
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 24回
- この商品を含むブログ (38件) を見る
併せて読んだ。こちらは,自選短編集で5話構成。
「天人唐草」の岡村響子の追い込まれ方は,理解できる気がする。
私が時として,「バカ正直な自分自身に苦しむ」のにも似て,
いろいろ思う処がありました。
「ハーピー」はミステリーとして,「サイコ」みたいで・・・。
「狐女」・「籠の中の鳥」・「夏の寓話」もなるほど,という感じ。
しかし,最高なのは,選んだ本が偶然とはいえ,「あとがき」を書いているのが
故中島らも氏という事かもしれません。
らもさんらしい,蘊蓄・ギャグ・コントまで披露してるので,躁鬱の”躁”の時に
書かれたのかもしれません。9ページもの「あとがき」は文章量としても多いです。
アマゾンで買う時は,やはり送料無料の1500円が気になるところ。
幸か不幸か選ばれたのは,次の作品。
- 作者: 山岸凉子
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2000/01
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (22件) を見る
『メタモルフォシス伝』
清原なつのの作品に雰囲気が似ていて,青春SFとして,楽しく読めました。
最後にこれを読んだので,(いい意味での)緊張感に縛られていた身には,
束縛を解いてくれるようで,おもしろかったです。
それぞれ,毛色の変わった作品を描き分ける技量は,やっぱり凄いですね。
この人(山岸さん)の子供時代の自伝が読みたいなぁと思いました。