magurit’s blog

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トランスな世界

No.71

●投稿者:マグリット(♂)
●投稿日:10月14日(月)22時37分48秒

◆岡城千歳のトランスクリプション

 最近は,特殊な演奏のCDを探すのに,輸入盤のコーナーを頼りに
することが多い。値段が安いのも助かるが,驚くような組合せ・取り
合わせに出会う可能性が高い(その為,国内盤を買うより何枚も選ん
で高くつくことも・・・・)。

 そんな中,岡城千歳という日本人ピアニストのCDに出会った。一
枚目は,昨年だったか,「ワーグナーの歌劇の付随曲集?」だったが,
その編曲は,彼女自身であった。その圧倒的な技巧には,驚きを隠せ
なかった。

 ベートーヴェンのリスト編曲の交響曲全集を録音し続けた,シプリ
アン・カッアリスの技巧は,華麗というよりも,繊細な印象を受けた
ものだったが(最近の彼は,南米の作曲家の作品集を録音していたが,
なかなか面白い小品が散りばめられたものだ)。

 しかし,岡城氏の第2作目のトランスクリプションは,チャイコフ
スキーの交響曲第6番”悲愴”であった。この録音は自由奔放な中に
大胆さと豪放さが隣り合わせになった出来映えであった。
 一時期,編曲作品は4手ピアノ(つまりピアニスト2人)によるも
のが多く,日本では,今は亡き”デュオ・クロムランク”等が,果敢
交響曲のピアノ版に挑戦していた。

 そんな中,岡城氏の2枚の編曲版は素晴らしいものだった。そこに,
輸入盤であるが,マーラー交響曲第一番”巨人”の独奏版が飛び出し
た。一聴して,涙があふれそうになった。確かな技巧に加え,天真爛
漫・豪華絢爛な響きが特徴?のマーラーの世界がそこにはあった。
 マーラーのオリジナルでなく,ブルーノ・ワルターの4手版をさら 
に独奏用にアレンジした独自なトランスクリプションである。

 www.chitoseokashiro.com
 www.chitoseokashiro.net

チャイコフスキー (ニーマン編曲):交響曲第6番ロ短調 作品74「悲愴」 (ピアノ独奏版)

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ワーグナー超絶技巧編曲集

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スクリャービン / 法悦の詩 作品54

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