magurit’s blog

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トランスな世界

No.51

●投稿者:マグリット(♂)
●投稿日:07月25日(木)01時44分38秒

◆オンドのある風景

 久しぶりに,コンサートに出かけました。
 「オンドのある風景」と題されたこのコンサート,とても楽しみに
していました。

 「オンド」というのは,フランスのマルトノ氏が発明した,「オン
ド・マルトノ」という,電子楽器。さらに,ロシアのテルミン氏が発
明した電波楽器「テルミン」とのアンサンブル。

 「オンド・マルトノ」も「テルミン」も1920年代に発明され,
現在のシンセサイザーの原点とも言える。

 楽器辞典などで,「オンド・マルトノ」の形は知っていたが,大き
さまでは,推測できなかった。小さなキーボードという感じ。鍵盤は
線で吊され,キーを左右に押さえながら揺らすことで,ヴィブラート
がかかる。左手では,ボタン操作をしながらポルタメントをかけていく。
短音しかでないが,エレクトーンより,ヴァイオリンやチェロのよう
に,甘い泣きが入るのが夢見心地にしてくれる。日本の,いや世界の
第一人者,ハラダタカシ氏も会場に駆けつけ自作を聞き入っていた。

 テルミンは,発信器に取り付けられた,二つのアンテナに,左右の
手をそれぞれ,近づけたり離したりして,音の高低,音の大小を作っ
て,曲を奏でる。
 演奏している様子は,まるで,超能力者と呼ばれる人々が,物に念
力を送っているような雰囲気である。

 2台のオンドと2台のテルミン,そしてピアノ。

 5人の演奏家によって,奏でられるメロディは,ファンタジーかメ
ルヘンか。なんとも愉しい時間を過ごすことができた。

 28階建てのビルの3〜4階にあるホールでの演奏中,窓のブライ
ンドが揚げられると,無音で外を走る自動車のヘッドライトがホール
を照らす。

 オンド・マルトノのCDは,ハラダタカシ氏が一枚発表している。
テルミンは,竹内正実氏が,CDを一枚発表している。
もう一枚,「アート・オブ・テルミン」がお勧め。

暑い,寝苦しい夜に最適の一枚

テルミン ディレクターズ・エディション [DVD]

テルミン ディレクターズ・エディション [DVD]

アート・オブ・テルミン

アート・オブ・テルミン

湖を渡る風 ~オンド・マルトノの幻想的世界 / 原田節

湖を渡る風 ~オンド・マルトノの幻想的世界 / 原田節