彼の笑顔と笑い声だけだった。
沢山の卒業生が弔問に訪れた。
優しい彼の人柄を物語る*1。
出張先から、駆けつけたメモリアルホール。
棺の中にいる彼は、面影もなかった。
涙が頬を伝い、こみ上げてくる悔しさ。
折角、早く来たのだからと、先輩と受付をすることに。
元の職場の会いたくない顔に耐えられるのか、
ちょっと心配したが、薬が効いてなんとかもった。
しかし、五年の月日は、多くの人に齢を重ねさせていた。
(勿論、相手にも私が老いたことを伝えただろう)
少なくとも、私が会っても平気と思っていた人に関しては。
しかし、会いたくないと憎く思っていた連中は、
少しも年を重ねた風ではなかった。
私の心のフィルターが怒りとなって、当時のままを
思い起こさせるのに違いなかった。
沢山の卒業生のなかには、私も知っている顔が
幾つも幾つもあった。皆、涙し、信じられない
面持ちが見られた。
あぁ、いつも以上にうまくまとまらない・・・。
悲しい・・・寂しい。