magurit’s blog

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ソンミン・カン チェロ・リサイタル

  ハガキで応募したコンサート。今年,3つ目の招待。
 ようやく,連れ合いと出かけられた。
 演目は以下の通り。

ピエトロ・アントニオ・ロカテッリ 
             ソナタ ニ長調
 ガズパール・カサド
         無伴奏チェロ組曲
 ドビュッシー
         チェロ・ソナタ ニ短調
 ブラームス
         チェロ・ソナタ第2番 ヘ長調

  カサド国際チェロ・コンクール*1の優勝者,ソンミン・カンのチェロ。若干20才。
 一曲目は,バロック音楽の時代らしい,明るく跳ねる様な曲。
 二曲目は,第一楽章に東洋風なメロディーが繰り返され,南画を連想させてくれた。
 ドビュッシーの曲も,”映像”の名残を感じさせる名曲。印象派として,デビューした頃の
 様な流麗さとは違うが,より進化した枯れた味わいを感じさせてくれた。
 二十歳のチェリストが,ブラームスの後半生に書かれた曲をいかに料理するか少し,
 意地悪な気持ちが湧いたが,実にダイナミックで情熱的,かつ華麗に奏でたのには,
 驚いた。久々に,涙が滲んでいた。
 アンコールは二曲。
 テンポの速い,技巧的な曲*2と,フォーレ
 緩急を付けた二曲は,この日の演奏が満足いくものだった事を確信するかのように
 白い歯がこぼれていた。
 チェロという楽器は,人の声に近い響きがあり,聴きやすいが,コンクールの盛んなピアノ程,目立たない。
 少々,大げさかもしれないが,先の愉しみな演奏家になる予感がした*3

*1:パンフレットによると,『20世紀の偉大なチェリストの一人である,ガスパール・カサドの名を冠し,イタリア・フィレンツェで開催されていたが,1990年に中断された。日本の八王子で彼の妻の遺志を継いでコンクールが復活。NHK,BS2「よみがえるカサド国際チェロ・コンクール」で放送されて話題になった』ともある

*2:”美しきロスマリン”や”中国の太鼓’の様に奔放な曲

*3:ヨー・ヨー・マの様になるやも