ハガキで応募したコンサート。今年,3つ目の招待。
ようやく,連れ合いと出かけられた。
演目は以下の通り。
ピエトロ・アントニオ・ロカテッリ
ソナタ ニ長調
ガズパール・カサド
無伴奏チェロ組曲
ドビュッシー
チェロ・ソナタ ニ短調
ブラームス
チェロ・ソナタ第2番 ヘ長調
カサド国際チェロ・コンクール*1の優勝者,ソンミン・カンのチェロ。若干20才。
一曲目は,バロック音楽の時代らしい,明るく跳ねる様な曲。
二曲目は,第一楽章に東洋風なメロディーが繰り返され,南画を連想させてくれた。
ドビュッシーの曲も,”映像”の名残を感じさせる名曲。印象派として,デビューした頃の
様な流麗さとは違うが,より進化した枯れた味わいを感じさせてくれた。
二十歳のチェリストが,ブラームスの後半生に書かれた曲をいかに料理するか少し,
意地悪な気持ちが湧いたが,実にダイナミックで情熱的,かつ華麗に奏でたのには,
驚いた。久々に,涙が滲んでいた。
アンコールは二曲。
テンポの速い,技巧的な曲*2と,フォーレ。
緩急を付けた二曲は,この日の演奏が満足いくものだった事を確信するかのように
白い歯がこぼれていた。
チェロという楽器は,人の声に近い響きがあり,聴きやすいが,コンクールの盛んなピアノ程,目立たない。
少々,大げさかもしれないが,先の愉しみな演奏家になる予感がした*3。