一休禅師に,霊魂が歌を読めばこうであろうかと思わせる一首がある。
「死にはせぬ どこへも行かぬ
どこへも行かぬ ここに居(お)る
たづねはするな ものは言わぬぞ」
◆「一休道歌」(禅文化研究所編・刊)に収められている。胸のなかのようでもあり,
天空の高みのようでもあり,神さまや仏さまがどこにおられるかは分からない。分か
らなくて,差しあたり困ることもない◆と思いきや,神社界は困っているらしい。イ
ンターネット上での参拝や祈願を受け付ける神社が増えたのを受け,神社本庁は「ネ
ット上に神霊は存在しない」として全国の神社に自粛要請の通知を出した◆「神霊は
神社という場所や空間に鎮座するもので,信仰本来の形が崩れかねない」と本庁は言
う。ネット参拝を導入している神社からは,「神社に親しみをもってもらえ,遠方の
人の助けにもなるのに・・・」と当惑の声も聞こえる◆祈る心はどこにいても通じる
と言われれば,「容認派」に気持ちが傾く。清らかな華やぎをたたえた神社独特の空
気に触れるすがすがしさを思えば,いかにも御利益がありそうで「自粛派」に傾く。
ことの是非はむずかしい◆八百万の神々も「ものは言わぬぞ」の組だが,なかには多
弁な方もおられよう。ま,ほどほどであればね・・・ぐらいはささやいてくれる神さ
まも,いそうな気がする。(2006.12.20・水曜 読売朝より 引用)
何事も「いい加減がよい加減」ということでしょうねぇ。
参考(他にもありますが・・・).
・ヴァーチャル詣 晴明神社 http://seijin.cool.ne.jp/page023.html
・virtual参拝1(愛宕神社) http://www.atago-jinja.com/v-start.html