magurit’s blog

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魚を飼うのは,何かに役に立つからではない

 

おさかな話

おさかな話

 1996年の本なので,水族館データなどは古くなっているが,

魚を飼うのは,ただ飼いたいから。理屈はいらねぇ!

 と思う人には,とてもよい本だ。

 著者の『水族館行こミーンズ I LOVE YOU』を読んで,買っておいたのだろう。
 書棚を漁っていて,読んでないことに気づいた。

水族館行こミーンズI LOVE YOU

水族館行こミーンズI LOVE YOU

水族館行こミーンズI LOVE YOU (角川文庫)

水族館行こミーンズI LOVE YOU (角川文庫)

 絵本(コマ漫画)形式だが,
 水族館巡りをしながらの「おさかな話」が24話。
 飼育についてのアレコレ「さかなを飼おう」が19話。

 「おさかな話」では,著者の魚スケッチがなかなかいい味を出している。
 まぁ,漫画家なのだから,当たり前なのだろうが・・・。
 「その3 シーラカンスが好きなんだ」,「その5 イカのお絵かき」での,スケッチ手順,等々,
 結構,新鮮な切り口で,ポイントを絞って見開き2頁におさめている。
 
 「さかなを飼おう」では,水槽・エサ・フンの始末・病気などの入門編も簡潔にまとまっている。
 さらに,
 「死んだ魚をどうするか」では,そのまま餌にすることで”生存競争”を感じとったり,
 「役には立たない」で,”何かに役立てようという”発想ではなく,
 ”ただ飼いたいだけ”が大事というのが,とても爽やかに感じた。

 この作家のイメージは,以前,次の本で形成された。
 

彼のバターナイフ (角川文庫)

彼のバターナイフ (角川文庫)

 おかげで,上から目線やデータだけの”水族館紀行”でなく,
 横で,子どもを叱りながらも,束の間,魚を追いかけている
 ”お母ちゃんお姉ちゃん”なので安心して読むことが出来るのだ*1

*1:今日も,藤井寺を歩いていたら,前を歩いていた派手なママが,3-4才の男の子に「お前に言ってるんだよ。何で答えないんだ!」・・・。怖かったです