- 作者: マイクレズニック,Mike Resnick,月岡小穂
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/04/05
- メディア: 文庫
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『「(会話)」が結構多いなぁ。ライトノベル風かなぁ。
でも,面白そう,コール中佐の台詞がいいねぇ。
誰の作品,えぇっ!レズニック?
これ,本当にレズニック?』
「マスコミは真実よりも,嘘やあいまいな中傷を利用する」と,コール。
「そして飽きられたら,それを訂正する。中傷された相手が文句を言い続けると
”訂正したのに,どうしてブツブツ言うんだ?”と思うのさ」
「モラリアのマスコミより腐ってるみたいだな」
「これが,ものの道理だ。弁護士は正義に燃えて仕事を始めるが,結局は訴訟に
勝つことが大事になる。患者を救いたいと願っていた医者は自分の資産を守る
ことが大切になり,真実を追い求めていた記者は,売上げ部数を上げようと
必死になる」 324頁より引用
ギョエーッ!!
レズニックって,日本贔屓なの?浪速の苦境を知ってるの?
久々にスラスラ読めるSFと出会った感じ。
続編があるなら,是非に読みたい。
レズニックとの初対面は『ソウルイーターを追え』*1。
(相前後して掘晃『漂着物体X』を読んだ記憶)
邦題からして,ヴァン・ヴォークトの『宇宙船ビーグル号の冒険』のような,
ハラハラドキドキ*2を予想していた。
エンディングがハッピーでは無かった気がする。
そして,薄い(『スターシップ』と比べて)文庫なのに,結構時間がかかった。
当時,SFへのイメージが,素人が抱く”センス・オブ・ワンダー”レベルだったのだろう。
その後,『暗殺者の惑星』は読んだがアラスジは,まったく思い出せない。
『アイヴォリー』,『一角獣をさがせ!』辺りまでは積んだ覚えがある。
『アイヴォリー』『キリンガヤ』等は,表紙からアフリカのイメージしか湧かないのだ。
面白そうだが,読むのに躊躇する作家として,マイク・レズニックの名前が刻まれた。
『スターシップ -叛乱-』という邦題から
「ST*3ネクストジェネレーション」の映画『叛乱』が
最初に浮かんだが,全く関係ない。
主人公,ウィルソン・コール中佐は独断専行で武勲を重ねる銀河の英雄。
といっても,スペオペのマッチョなヒーローではなく,頭脳で闘うタイプ。
カーク船長とは,かなりちがうのです。
独断専行過ぎて,辺境宇宙をパトロールする「セオドア・ルーズベルト(テディ・R)」号へと
左遷させられてしまう。ここから物語が始まる。
2mを越える巨体のフジヤマ艦長*4,オレンジと紫の縞模様,食事の口は背中側にある
ポロノイ人のポドク第一副長,そして,盟友のモラリア人フォリス中佐,個性的な
面々が揃っている。そして,女性クルーが・・・多い。
航宙軍で不服従とか反抗といった人間関係の問題を起こしたエリートを
戦闘が起こらない退屈な辺境へと追いやることで,
戦場で敵以外の問題を排除することにした軍首脳。
銀河の英雄の到着に,上官二人を除いて,クルー達は色めき立つ。
着任早々,当直仕官として割り当てられた時間帯に,何週間ぶりかのデータを更新させ,
レーダーで敵を発見し,上官に報告しないまま敵艦に近づき,
シャトルに二人を乗せて・・・。
無手勝流で飛びつきながら,「答えの無い問題はない」と対策を捻りだす。
ご都合主義が鼻につく作品も多いSFだが,それを感じさせないのがいい。
敵から逃亡し,街を走り回るのだが,マスコミに情報をリークし,
マスコミが騒ぐことから,必然的に軍に自分を救出させる件は,
謀略スパイ物のようで,でも暗くないし,実にテンポがいい。
宙賊となったコール,ハーロックと共闘して宇宙で暴れて欲しい。
そう,テンポの良さがこの作品の特徴だろう。
ああ 愉快痛快 奇々怪々の〈テディ・R号〉
- 作者: マイク・レズニック,黒丸尚
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1984/07
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