magurit’s blog

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「邦画オールタイムベストテン」

 昨年暮れ,id:SIMさんの処で,washburn1975*1さんの「邦画オールタイムベストテン」を
 知ったのだが,その時には,もう締め切られていて残念に思っていました。
 今年は,参加させてください。washburn1975さん,宜しくお願いします。

maguritの邦画オールタイムベストテン

  
1.駅 STATION(1981)
   

駅 STATION [DVD]

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  食わず嫌いだった”高倉健”に惚れ込んでしまった記念すべき映画。
  涙しました。映画館で,男泣きしたかったのですが,涙一筋に留めました。
   脚本の倉本聡,「北の国から」が始まった頃だったと思います。
  刑事の英次(高倉健)は,妻・直子(いしだあゆみ)の浮気を彼の潔癖さが
  許せない。この設定*2は「北の国から」の五郎さん(田中邦衛)も同じです。
  烏丸せつ子の切ない演技に鬼気迫るものがありました。倍賞智恵子,は”さくら”のイメージだけ
  だったのですが,高倉さんとの艶っぽいシーンがとても良かった。
  おかげで倉本聡のシナリオを読みまくり,全集が揃ってしまいました。

2. 男はつらいよ 寅次郎かもめ歌(1980)
   
男はつらいよ 寅次郎かもめ歌 [DVD]

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  寅さんを見て笑えるようになったのは,30代になってからだと思う。
  それまで,寅さんが嫌いだったのに,何が枷を外したのか,再放送を何度も見てしまう。
  「馬鹿だなぁ」って言いながら,「それを言っちゃオシマイよ」と言いながら。
  好きな話は幾つもあるので,本来なら「男はつらいよ」シリーズとしてノミネートした
  方がいいのかもしれないのだが,あえてこの1話を。
   勘違い政治家や逆上せ上がったTV人が,現場も知らずに専門職の教師を馬鹿にした
  ように教育論議で世間を煽ってくれるが,そんな小難しいものではなかったように
  私は思える。学校で新しい事を知り,別の見方を知り,他人の違う考えに感心し,
  他人の同じ意見に喜び,間違いを練習し,失敗を取り返し,失敗に引きずられ,
  いい意味での理想と挫折と妥協のお稽古の場だった筈。
   そんな学校を思い出させてくれるのがこの1本。学校で子供と見て欲しい。家で親子で
  見て欲しい。会社でみんなで見て欲しい。解説はいらないから,寅さんと松村達雄
  定時制の教室でする掛け合いにみんなで笑って,みんなでホッコリとしたらいい。
  学校を懐かしんで欲しい。

3. 未来忍者 慶雲機忍外伝(1988)
   

未来忍者 慶雲機忍外伝 [DVD]

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   雨宮慶太監督なら,『平成ガメラ』三部作も押したい,いや,イリヤのアクションが
  炸裂する『ゼイラム』シリーズかとも思ったのだが・・・,
  あのスタイリッシュな機忍,不知火を忘れるわけにはいかない。
  鷺姫を救出する一行が,巻物を広げて現れた電子地図が欲しいアイテムです(笑)。

4. どら平太(2000)
   

どら平太 [DVD]

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   望月小平太(役所広司)が,殿の命により,藩の重役たちの収賄事件を
  平定していく痛快時代劇。「じゃ,腹を割って話そう」という感じで,
  ヤクザ達を手名づけていくのですが,初めて見た時は,勤めていた職場で,
  (小泉構造改革のモノマネで)私利私欲にかられた男による権力闘争が
  行われ,関係無いのにとっばちりを受けました。あの時,どら平太の様に
  理事長からの「お墨付き」があったら,あの勘違い野郎を追い出すのにと
  先輩とよく話しました(笑)。

5. 大魔神シリーズ
   

大魔神 [DVD]

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大魔神怒る [DVD]

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大魔神逆襲 [DVD]

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   涙によって,埴輪の神像が大魔神に変身するシーンがなんともよかった。
  あの怒りに満ちた顔。タイガーマスクの不動マスクを思い出します。
  そして,あのズズズーンという足音と地響きが”ベンハー”のガレイ船の
  海戦シーンでの漕ぐリズムを叩く音と同様に耳に残っています。
   何時代ということもなく,”悪代官と民”という設定が,
  ゴジラや怪獣に壊されたはずの建物が綺麗に建っている現実に,失恋にも
  似た甘酸っぱさを味わされることもなく,ファンタジーとして上手く
  映像化されていて,日本が誇れる作品だと思う。

6. 帝都物語
   

帝都物語 [DVD]

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   「我をあがめよ」と呪術を使う加藤と,「おのれ加藤!」と対決を迫る
  石田純一を見るにつけ,今の軟派なタレント姿に時の経過を感じて微笑んでしまう。
  桂三枝が演じる風水師,ギーガーのデザインした式神西村真琴のロボット「学天則
  が登場し,ワーグナーの音楽が実にマッチした映画でした。
   原作は,文庫サイズの月刊誌『カドカワ』?で連載されていたのですが,
  読んでも設定がチンプンカンプンだった。私は映画を観て,ススーツと話が
  流れて,「おお!こんな話か!面白い!!」と映画館で感激したのを思い出します。
  一緒に行った同僚が「やっぱり分からん」と首を捻っている横で,オカルトネタが
  繋がる快感を味わっておりました。

7. 三文役者
   

三文役者 特別編 [DVD]

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   竹中直人が好きなので,『無能の人』,Vシネマの『カルロス』や続編の『共犯者』
   『シコふんじゃった』,『Shall We Dance ?』なども頭に浮かぶのだが,やっぱり
   この濃い役どころは彼にしか出来ないような・・・。

8. 怪盗ルビイ(1988)
   

快盗ルビイ [DVD]

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   やっぱり,小泉今日子を一本入れておきたい(苦笑)。
   『カルロス』の続編の『共犯者』(1999)でも,途中までなかなか,いい味を
   出していたのですが,キョン×2が,内田祐也に撃ち殺される展開があっけなくて・・・。
   派手な二枚目,真田広之とのやりとりが,アイドル映画とは一線を画した作品。
   和田誠の監督,脚本というと『麻雀放浪記』も白黒とレトロ感が『オールウエィズ』と
   は違った意味で胸をときめかせてくれます。
   『センセイの鞄』が映画だったら一押しにするのですがね。
   
麻雀放浪記 [DVD]

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9. 野球狂の詩(1977)
   

野球狂の詩 [DVD]

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   日本シリーズも終わり,関西の独立リーグの合同トライアウトでは,女子高校生が
  ナックルボールを駆使して,契約にこぎつけそうだとか・・・。
   水原勇気を演じた木之内みどりは,竹中直人の連れ合い様ですね。
  確か,野村監督が出演していたはず。巨人の星の熱血スポコン,超魔球の侍ジャイアンツ
  様に,G人気と合わせ技になる作品が多い中,水島新司パリーグを舞台に一つの野球ドラマに
  徹した処が新しいファンを獲得したのだろう。サクセスストーリーが多い中,
  毛色が変わった野球映画。

10.細雪(1983)
   

細雪 [DVD]

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   とにかく,吉永小百合が綺麗だった。古手川祐子も霞んでおりました。
  岸恵子佐久間良子と個性的な美女優の映画なのだが,とにかく,桜が
  美しく,着物が豪華で,ヘンデルのオンブラマイフが頭にこびりつくぐらい
  うっとりする映画でした。悪役の桂小米朝も,妻の目を盗んで吉永にチョッカイを
  出そうとする石坂浩二も,なんだかホントにありそうで・・・(笑)。
  谷崎文学のイメージが変わった映画でした。

  次点
   『修羅雪姫』(1973)『化石の荒野』『地獄の警備員』
   『バトルヒーター』『11人いる!』『鉄人28号 白昼の残月』・・・
  あぁ,書ききれない・・・orz。
  

鉄人28号 白昼の残月 DVD

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バトルヒーター [VHS]

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  選び終わってみると,「なんだか普通の作品ばかりだなぁ」という感じもします(笑)。
  『映画秘宝』的にいけば次点の中に宝があるのかも・・・。