- 作者: 唯川恵
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/09
- メディア: 単行本
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GSIクレオスの女子書評部*1で,
紹介されていた 唯川 恵『息がとまるほど』。
「・・女の本質を描いたものが多いけど,とくにこの作品は
いつもに増して鋭い気がした。」
「・・同性なのに『女って怖いな』って何度も思った。」
そうなのかなぁ*2。
確かに,OLの話が多かったけど,OLという役割の環境を
巧みに使って,人間の,それも身近な人への嫉妬は,程度の差は
あるだろうけれど,男女関係ないようにも思う。
案外,オトコの方が,メメシイ*3部分が多いし,裏切りや踏みつけ,
罠に嵌めてのし上がりたいという人は多い*4けどね。
さて,別に書評を否定も非難もしていませんので誤解のないように。
前号の書評部の『コルセット』より,ミステリー要素が分かりやすく
面白かったと言っておきます。
この作者の作品を読むのは2冊目。『今夜は心だけ抱いて』以来。
8話の短編集。
「あね,いもうと」のラストは「メガネのツル登場*5」以降は
ちょっと,説明し過ぎの様な感じがしたけれど,二卵性双生児が
心を通わす形で終わってよかった。
「女友達」は,「他人からの評価(プレッシャー)」が
「自分へのプレッシャー」に転化してエンドレスになっていくのが,
今の社会のあちこちに,性別を問わず存在するのだろうと思った。
「ささやかな誤算」は,さらりと愉しめる。
流れで,積んであった川上弘美の本を2冊,眺めてしまった。
相変わらず,文章がうまい。特に短編。
長編(連作短編なのかな?)は,独特の間が,白々とした雰囲気*6を
感じさせる*7けれど,
嫌悪感に苛まれるわけではないので・・・。
フィクションと現実の境界を意識させてくれていると言った方が,
いいのかも・・・。
もう一度,機会を改めて,読みたいと思う。
- 作者: 川上弘美
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2006/07/20
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- 作者: 川上弘美
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/04/22
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