magurit’s blog

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「ダカーポ」の「女子書評部」より

 

息がとまるほど

息がとまるほど

 「ダカーポ」の書評コーナー。
 GSIクレオスの女子書評部*1で,
 紹介されていた 唯川 恵『息がとまるほど』。

  「・・女の本質を描いたものが多いけど,とくにこの作品は
   いつもに増して鋭い気がした。」
  「・・同性なのに『女って怖いな』って何度も思った。」

 そうなのかなぁ*2
 確かに,OLの話が多かったけど,OLという役割の環境を
 巧みに使って,人間の,それも身近な人への嫉妬は,程度の差は
 あるだろうけれど,男女関係ないようにも思う。
 
 案外,オトコの方が,メメシイ*3部分が多いし,裏切りや踏みつけ,
 罠に嵌めてのし上がりたいという人は多い*4けどね。

 さて,別に書評を否定も非難もしていませんので誤解のないように。
 前号の書評部の『コルセット』より,ミステリー要素が分かりやすく
 面白かったと言っておきます。
  この作者の作品を読むのは2冊目。『今夜は心だけ抱いて』以来。
 8話の短編集。
 「あね,いもうと」のラストは「メガネのツル登場*5」以降は
 ちょっと,説明し過ぎの様な感じがしたけれど,二卵性双生児が
 心を通わす形で終わってよかった。
 「女友達」は,「他人からの評価(プレッシャー)」が
 「自分へのプレッシャー」に転化してエンドレスになっていくのが,
 今の社会のあちこちに,性別を問わず存在するのだろうと思った。
 「ささやかな誤算」は,さらりと愉しめる。

 流れで,積んであった川上弘美の本を2冊,眺めてしまった。
 相変わらず,文章がうまい。特に短編。
 長編(連作短編なのかな?)は,独特の間が,白々とした雰囲気*6
 感じさせる*7けれど,
 嫌悪感に苛まれるわけではないので・・・。
 フィクションと現実の境界を意識させてくれていると言った方が,
 いいのかも・・・。
 もう一度,機会を改めて,読みたいと思う。
 

ざらざら

ざらざら

 
夜の公園

夜の公園

*1:部活動みたいで・・・笑

*2:これは「女って怖いな」に対してね

*3:「女々しい」とも書くのだろうけど,特殊な誤解を避ける為,ここではカタカナ表記

*4:そのやり口が小説にするには,幼稚過ぎてオチもつけられないから,サクセス・ストーリーの方に走るんだろうね

*5:そこで,カメラのヒモを思い出すぐらい

*6:これ,表現がムズカシイのですが,SF映画に出てくるアンドロイドの「ノペッ」とした顔のイメージかな:笑

*7:『ニシノユキヒコの恋と冒険』は特にそうかな