目が覚めたら,
窓を打つ激しい雨に 僕は耳をそばだてた
僕の部屋のドアを 誰かがたたく音がして
ずぶ濡れで立ってた君は
すまなそうにこう言った
灯りがついていたので
ちょっと寄ってみましたと
思いがけない真夜中の訪れに
知り合って間もない君に
何か訳があるのだろう
ずぶ濡れのコートを脱いだ
君はまだふるえてる
男物のセーターだけど
風邪をひかずにすむだろう
「ずぶ濡れの訪問者」
- アーティスト: みなみらんぼう
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2001/12/05
- メディア: CD
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というフレーズが耳奥に浮かんだ。
台風14号の影響か,私の場合は「屋根を打つ激しい雨」
だったけれど。
みなみらんぼう氏の歌が何かしら好きで,良く聞いていた
時代があった。
「らんぼう」は「乱暴」ではなく「ランボー」*1からだったような記憶があるが,
あの低い声とは似合わない優しい顔。
そして,詩の内容よりも柔らかいメロディー。
「山口さんちのツトム君」ばかりが紹介されるが,
「淡い青春の恋」や「ワンナイトの出会いと失恋」
「生き疲れた心」等の詩が多いけれども,それだから(それなのに?)*2多感な高校時代には,逆に背伸びして憧れる世界だった。
- 大人のワンナイト(何故かコミカルな感じが多い)
- 「土曜日のシンデレラ」
- 「大阪慕情」
- 人生
- 「年月の渇き」
- 「途上にて」
- 「夜を抱きしめて」
- 「ある男の愛」
- 「ポケットに夏の日」
- 失恋
- 「ウィスキーの小瓶」
- 「語り尽くせない五月」
どうも私は,影響されやすいのか,恋が始まっても,らんぼうさんの歌の
詩が頭に浮かんでしまう。特に「年月の渇き」が多い(苦笑)。
恋愛へのあこがれよりも,失恋への甘言がつきまとっているのかもしれない。
愛することに臆病で
僕たちは別れを急いだ
求め会う肉体以上の
真実とは 何だろう
傷口を塗り込める
すべさえも一途だった若い日々
つなぎ止める そんな愛なんて
悲しいだけの淫猥さ
(中略)
想い出の痛みは
飛び立った水鳥の輝き
たおやかな乳房のうねり
僕はいまも ここにいる
酔いどれることなどは
僕にはたやすい悪戯
自由など なんになるだろう
おいぼれてゆく人生には
(後略)
「年月の渇き」より
私には,詩とオーバーラップするような経験は無い。
でも,「酔いどれる」「老いぼれてゆく人生」「自由」等の響きに
あこがれていたのだろう。いや,今もあこがれているのかな・・・。