magurit’s blog

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『ローマの休日』は,旧きダンディズム作品

ローマの休日 製作50周年記念 デジタル・ニューマスター版 (初回生産限定版) [DVD]

 阿倍野・アポロホールに映画を観に行った。
 「久々の休み」と「招待券をいただいた」のが,大きな理由。
 だが,何時も最後に目頭と胸が熱くなる『ローマの休日』と
 いうのが一番かも*1

 永遠の妖精・オードリーは大好きな役者だが,
 グレゴリー・ペックあっての名画だと思える様な齢になってきた。

 一般に,オードリーの出世作,ラブストーリーの定番と言われる
 が*2,なぜか,ペックから*3にじみ出る「はかない夢」の部分が
 ”忘れられたり,見過ごされているのでは?”,と思うのは
 うがった見方だろうか。

 記憶を辿っても,テレビでしか見たことが無い。
 小さなホール,会議椅子,少ない観客。
 他人に紛れて,ノーカットで見ていて思うのは,
 「このシーンはこんな意味なのかな?」。

 それは,ラスト。
 ペックが「振り返るシーン」。
 単に切ないだけと思っていたが,あの”振り返り”があって,
 夢と現実が綯い交ぜになった世界から現世に戻ることができる
 ”リセットスイッチ’だということに。

 歯がゆい・辛いリセットスイッチかもしれないが,所詮は,叶わぬ夢*4
 だから,リセット・ポンで,「逃避行」を夢だけにして,思い出だけにして,
 頭(心)の中にいつまでも留めることができるのだろう。

 ブラッドリーとアーニャが,あのまま,ローマのアパルトマンで,スゥイートな
 生活を送る空想も現代ならたやすく映像できるかもしれない。
 でも,そうならなかったから,あり得ない想像もできるというものだろう。

 「思いのままになる*5)=ハッピーエンド」のような作品
 *6が多い今だからこそ,
 「束縛によって得られる自由」から生まれる素晴らしさが必要なのではと,
 哲学的な想いにかられた一日だった。

 だが,しかし,あの時代は「予定調和」=「叶わぬ夢」だっだったのかも
 しれない,という考え方も忘れず選択肢に入れるのは当然ではあるが・・・。
 

*1:疲れているので,涙を流す事で癒されたいと心身が切望しているのでしょう

*2:テレビ吹き替えで見る機会の多い作品だから?

*3:男?人間?の格好良さを求める心の

*4:昨今の若者には,「束縛の中の自由:「自由にしなさい」なんて言われても何をしていいかわからない事が多い。幾つかの選択肢=束縛があって,その中から自由に選んでしなさいと言われると,人間は頭が働く:」なんて考えが及ばないかもしれないが

*5:予定調和

*6:映画・テレビドラマ・小説・マンガetc