magurit’s blog

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トランスな世界

No.12

●投稿者:マグリット(♂)
●投稿日:04月25日(木)00時09分14秒

◆青春スケッチブック
 大学の4回生の頃,卒業実験で実験室に籠もりきりになり,人と口を聞
かないことが多くなった。そんな時,倉本聡の『北の国から』に出会った。
書店でシナリオが売られていたこともあり,テレビ放映よりも先にストー
リーを読み尽くしていた。そうして,テレビドラマのシナリオの面白さに
触れることになった。
 取りあえず,倉本氏のシナリオシリーズを全巻味わった。『駅』,「前
略おふくろ様』,『大都会』,『君は海を見たか』など,時間を惜しんで
読みふけった。
 他にも好きなシナリオライターとドラマがあることに気づき,向田邦子
山田太一のシナリオも読むようになった。

 向田邦子は『幸福』が好きだった。アンマレーの「You need'nt me」が
テーマ曲でどうにもならないストーリーだったが,笠さんの味のあるボケ
が好きだった。
 山田太一は『それぞれの秋』が出会いだったが,中でも『青春スケッチ
ブック』が好きだった。大学受験を控えた鶴見慎吾が,本当の父親,山崎
努と出会い,「ありきたりになるな」という言葉に心を動揺させていく。
育ての父親,河原崎長一郎山崎努との正反対な雰囲気がとてつもなく面
白かった。後に『ふぞろいの林檎たち』を評価する人が多いが,私は一に
もなく『青春スケッチブック』を推薦する。次点は『岸辺のアルバム』。
これもテーマ曲がジャニス・イアンの「Shall wedance」ととてつもなく
いい。
 いいドラマといいテーマ曲はマッチングするのかもしれない。それにし
ても,最近,うなるようなドラマがまったくないのは,テレビが駄目にな
っている証拠のように思えて仕方がない。