星条旗見上げる我は今日市民
されど心は白地に赤く
摺木洋子
米国で市民権をとった日系歌人の作
◆「私,涙が出ちゃいました,というと,年輩の人たちは深くうなずく」
---ロサンゼルスを訪れて,この歌を知った田辺聖子さんは著書「残花亭日暦」*1に
そう書いている。
◆話はこう続く。「日の丸や君が代にさまざまな議論はある。・・・・ただ,私としては,
日の丸に悪いイメージがあるなら,それを善いほうへ転換するようにつとめたらいいので
はないかと思っている。国旗国歌なんて,やたら変えるものではない」
◆「その国の歴史の消長のうちに,さまざまな色に染められていくのは免れたいが,
超党派的に,それはそれとして,中心に据えておかねば,という思いがある」
◆「広く国民の意見を徴して国旗をきめようという説もあるが,それはかえって混乱を招き,
意見の統一など百年河清をまつに等しいだろう」----同感,まことにもっともと思う。
◆入学式,卒業式の混乱は不毛。最高裁が〈君が代伴奏命令〉に合憲判決。当然であり良識の
判断と思った。
2007.02.28(水) 読売夕刊 「よみうり寸評」より引用*2