昨日,私を恫喝した偉い人について書いたが,
ふと,本棚に眼が行って,手に取った本。
- 作者: 牧衷
- 出版社/メーカー: 季節社
- 発売日: 1998/08/01
- メディア: 単行本
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ことに驚いた。恫喝した偉い人一派に対して私がした事が,どういう態度だったかを
確認するような書き込みもあったので,恫喝されたことで,この本を熟読したようだ。
著者,牧衷(まき ちゅう)氏は,岩波映画で科学教育映画*1の
シナリオライターを勤めた人。
1950年のレッド・パージ反対闘争,1956年の砂川基地闘争,
1968〜70年代の全共闘運動等の話と搦めて,社会運動について語っている。
煽るような内容ではなく,社会的・組織的運動の中での運動論をまとめている。
第二章の「運動論いろはカルタ」がオモシロイ。
(1)多数決原理について
では,「【は】反対のことは せず させず 」
といった諺風にして話を進めているので,読みやすいのです。
押しつけといってもいろいろあります。で,押しつけられた当人,教育・授業に
おいては,生徒--その生徒が押しつけだと感じないようなことはどんどん押しつけ
ちゃってかまわない。*2。
そういう押しつけはかまわない。効率もいい。しかし,生徒が「これは押しつけだ」
と感じるような押しつけはやっちゃーならん。これが原則です。
・・自分で納得できないのに押しつけられるという形の押しつけが,運動でも最大の
阻害要因になるのは,まったく同じです。
そのような押しつけを産んでいる最大の原因は何かというと,日本の運動で
「多数決原理」と考えられている原理につきあたるんです。
ものごとを多数決で決めなきゃならない時というのは,意見が分かれて,かなり
有力な対立意見がある時です。ですから,多数決でどの意見に決まったにしても,
かなり「そうじゃないかも知れんな」と考えている人たちがいるわけです。そんな
状況の中で「多数決の結果だから,多数意見の俺たちと同じことをしろ」と言った
んじゃ,少数派の人たちが押しつけと思わないほうがおかしい。<<
ここですよね,ポイントは。
これで,いけるの?という反論に対して,
具体例として,「六価クロム禍公害反対運動の組織」を上げて説明している。他の章は,
(2)論理の一貫性と運動の行方
(3)壁につき当たったとき
(4)心情主義と肉体的労働主義
(5)運動論と矛盾論
(6)運動の成功のために
(7)運動するものの心得
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