magurit’s blog

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『運動論いろは』

昨日,私を恫喝した偉い人について書いたが,

 ふと,本棚に眼が行って,手に取った本。
  

運動論いろは

運動論いろは

 久々にひもとくと,「おぉ,あちこちに線が引いてある。書き込みがある。」
 ことに驚いた。恫喝した偉い人一派に対して私がした事が,どういう態度だったかを
 確認するような書き込みもあったので,恫喝されたことで,この本を熟読したようだ。
  著者,牧衷(まき ちゅう)氏は,岩波映画で科学教育映画*1
 シナリオライターを勤めた人。
  1950年のレッド・パージ反対闘争,1956年の砂川基地闘争,
  1968〜70年代の全共闘運動等の話と搦めて,社会運動について語っている。
  煽るような内容ではなく,社会的・組織的運動の中での運動論をまとめている。
 第二章の「運動論いろはカルタ」がオモシロイ。
 (1)多数決原理について
 では,「【は】反対のことは せず させず 」 
 といった諺風にして話を進めているので,読みやすいのです。

  押しつけといってもいろいろあります。で,押しつけられた当人,教育・授業に
 おいては,生徒--その生徒が押しつけだと感じないようなことはどんどん押しつけ
 ちゃってかまわない。*2
 そういう押しつけはかまわない。効率もいい。しかし,生徒が「これは押しつけだ」
 と感じるような押しつけはやっちゃーならん。これが原則です。

 ・・自分で納得できないのに押しつけられるという形の押しつけが,運動でも最大の
 阻害要因になるのは,まったく同じです。
  そのような押しつけを産んでいる最大の原因は何かというと,日本の運動で
 「多数決原理」と考えられている原理につきあたるんです。
  ものごとを多数決で決めなきゃならない時というのは,意見が分かれて,かなり
 有力な対立意見がある時です。ですから,多数決でどの意見に決まったにしても,
 かなり「そうじゃないかも知れんな」と考えている人たちがいるわけです。そんな
 状況の中で「多数決の結果だから,多数意見の俺たちと同じことをしろ」と言った
 んじゃ,少数派の人たちが押しつけと思わないほうがおかしい。<< 
  ここですよね,ポイントは。
 これで,いけるの?という反論に対して,
 具体例として,「六価クロム禍公害反対運動の組織」を上げて説明している。

 他の章は,
  (2)論理の一貫性と運動の行方
(3)壁につき当たったとき
  (4)心情主義と肉体的労働主義
  (5)運動論と矛盾論
  (6)運動の成功のために
  (7)運動するものの心得
  

*1:「ものとその重さ」には,私も何度かお世話になりました。

*2:あいうえお,九九,分数,必修漢字等,確実に生活に役立つこと