いぬにも あげる ばたあぼうる
二○九
いま「新江戸いろはがるた」を作っている。
い・いぬも あるけば ぼうにあたる に対しては
い・いぬにも あげる ばたあぼうる である。以下
ろ・論より孔子よ
は・印(ハン)こより,なた
に・荷車よ これは初荷か
ほ・保険のおもり くたびれそうね
へ・蛇を干して包めり
と・年寄り 休みの日
(安野光雅 『算私語録』朝日新聞社 1980.5)
ときどき,思い出したように読み返す本,それが『算私語録』。
好奇心をくすぐりつづけられても,発狂はしない証拠の本。
次から次へと話題の視点が変わっていくからか。
続編も二冊出たが,1冊目のこれが一番面白い。
そこに,アナグラムの話題が,二○七から二○九-一まで続く。
これを読んだ頃,「新江戸いろはがるた」の写真を見た,
ようなふにゃくにゃっとした記憶が脳ミソのどこからともなく現れてくる。
この本を読み返すたびに,「新江戸いろはがるた」が欲しくて欲しくてたまらなくなる。
「自分で続きをかんがえたら?」って?
当時の安野氏のアイデアが見たいのですよ。
- 作者: 安野光雅
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 1980/05
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