まだ顔も知らぬ,近くに住む知人から
素敵な秋のデザートを戴いた。
手作り銘菓「霜ばしら」*1。
綺麗な青色の缶の蓋を開けると湿気を嫌うの
だろう,中にも蓋が。そのふたを除くと
一面,パウダースノーの雪景色のようだ。
そっと,缶を揺すってみる。
すると,中から”しもばしら”が現れた。
小皿に,粉雪*2と一緒に取り出した。
口に含むと,スッと溶けて消えていく。上品な淡い甘さ。
溶けていく様は”龍のひげ*3”とは違う。
寒い朝,陽光が差す頃には,消えている余韻をも舌が感じたのだが,
それとは別に,遠い昔,白い息を吐く音と,ザクザクという音が耳によみがえった。
もう一品の「九重」。大さじ二杯の”ぶぶあられ”状の玉が入ったカップにお湯を注ぐ。
しばらくすると,玉が浮きあがり,白湯が薄い紫色に。
淡い葡萄の香り。一口すする。
「あぁ。」と小さく声が出た。ほの甘い葡萄味。
夕餉*4の後,二人で食器を片づけ,一息ついた秋の夜でした。
贈り物を贈って下さった方に,この場で感謝。