「笑うイエス」
1976年ごろ,エジプトの砂漠で,崩れた石灰岩の箱からぼろぼろのパピルス写本が
見つかった。修復と解読でこれが「ユダの福音書」であることが判明し今年,発表さ
れた。
イエス・キリストの十二使徒の一人でありながら,銀貨と引き換えに主を裏切った
ユダが伝えたというイエスの教えである。
それは,ユダこそがもっとも信頼の厚い弟子であり,裏切りはイエス自身の指示に
よるものだ,とする衝撃の内容だった。
イエスはまた,弟子たちの前でよく笑い,憂いに沈むこれまでのイメージとは違っ
た顔をみせている。
約2000年前に実在した人間イエスの実像に迫る研究が進められている。今年,出版
された「イエスの王朝(ソフトバンククリエイティブ刊)」は,その成果がうかがえ
る一冊だ。
著者のジェイムズ・D・テイバーは米国の大学の宗教研究者で,約30年にわたり,
発掘調査と文献解読に取り組んできた。
母マリアの「処女懐胎」で誕生したとされるイエスだが,その〈奇跡〉に合理的な
解釈を与え,父がローマ軍の兵士だった可能性があると示唆する。
イエスにはまた,腹違いの弟や妹が6人おり,弟の一人ヤコブは,兄の進める布教
活動に力強いパートナーとして加わっていたという説も示している。
聖夜も近い冬の夜,人間イエスのことを想うと,親しみが増す。暗闇から,穏やか
な笑い声が聞こえるような気がした。(加藤丈夫)
(2006.12.13.水 読売・朝)引用
幼稚園がカトリック系だった。カルタ遊びの内容も「新約聖書」だった。
忘れられない文字札。「鳥が鳴いたらペトロも泣いた*1」
↑師走も本格化してきた,とある商店街。イルミはX’masムードが漂う。