magurit’s blog

はてなダイアリーからの移転です!

再び,読売新聞「よみうり堂」から

  わからないことを「わからない」というのは意外に難しい。新入社員のみなさん,
 そうではないか。仕事では知らないことばかり。つい,格好をつけて,うわべだけの
 対応をしてはいないか?◆しかし,会社勤めの極意は「誠意」という作家の山口瞳
 んは,新潮文庫の新刊『諸君,これが礼儀作法だ!』の中で,〈わからないことは
 「わからない」と言え!〉と訓示しつつ,〈しかしだネ〉と補足します。〈なんでも
 かんでも「わかりません」「知りません」では,これも困る。諸君!この人生,大変
 なんだ〉。会社員歴23年,大いに共感しました。(後略)(鵜)
                  2006年4月16日 読売新聞 11面 引用 

 

諸君、これが礼儀作法だ! (新潮文庫)

諸君、これが礼儀作法だ! (新潮文庫)

 でもなんだかねぇ。新入社員じゃなくても,30代の任用替えでも同じ様な発言を
 聞くことがある。それも堂々としている。”恥かしさ”というか”謙虚”な雰囲気
 が無いのだ。「ちょっと図々し過ぎじゃありませんか?」と言いたくなる。
 
発想法かるた (ものの見方考え方シリーズ 2)

発想法かるた (ものの見方考え方シリーズ 2)

 から,二つ紹介しておきたい。
 ①「わからない」と言うのが謎解きの第一歩

  (前略)
  私は小学生時代に教わったことも片端からわからなくて,大学に入った後まで,
 「自分の頭は特に悪いのではないか」と心配でならなかったのですが,勇気を出
 してそのことを口にしたところ,ほかの人たちもまるっきりわかっていないこと
 がわかったことが何度もあります。
  そして,安心したというか,「わからないことに気づかずにただ覚えこんだ人
 よりも,わからないことにこだわり続けた自分のほうが優れている」というよう
 にも思えて,それまでになく自信をもつことができるようになりました。
  (後略)
           板倉聖宣『発想法かるた』50,51ペ(仮説社)1992.4.10

 ②聞くは一生の恥,聞かぬは永遠の謎,こっそり知ろう常識は

  これは普通のことわざとはまるで正反対のことわざです。普通は「聞くは一時の
 恥,知らぬは一生の恥」というものでした。しかし,私はそのことわざを信用でき
 ませんでした。へたに聞くと,「そんなことも知らないのか」と一時的に馬鹿にさ
 れるどころか,あとあとまでも「あいつはこんなことも知らなかった」と馬鹿にさ
 れ続けることもあることを知ったからです。そこで,「そんなに馬鹿にされるより
 は,聞かないで〈永遠の謎〉にしておいたほうがいい」とどんなにか思ったことで
 しょう。(中略)
  あまり人に馬鹿にされると自信がなくなるので,あまり馬鹿にされるのも考えも
 のだと思うのです。そして,かなり勉強したところで,「わからないことはわから
 ないと言おう」といいあえる仲間を作ることが大切だと思うのです。
           板倉聖宣『発想法かるた』52,53ペ(仮説社)1992.4.10

 ぐらいの慎重さが大事だと私も思うのです。
 ネット社会の現代は,空間を越え,時間を短縮し,多くの人との
 仲間作りも,こっそり常識を知ることもできる環境もそろっているのです。
 もう少し,人に優しい社会にしたいなぁ。
 もう少し,正直に生きる事を大事にして欲しいなぁ。