わからないことを「わからない」というのは意外に難しい。新入社員のみなさん,
そうではないか。仕事では知らないことばかり。つい,格好をつけて,うわべだけの
対応をしてはいないか?◆しかし,会社勤めの極意は「誠意」という作家の山口瞳さ
んは,新潮文庫の新刊『諸君,これが礼儀作法だ!』の中で,〈わからないことは
「わからない」と言え!〉と訓示しつつ,〈しかしだネ〉と補足します。〈なんでも
かんでも「わかりません」「知りません」では,これも困る。諸君!この人生,大変
なんだ〉。会社員歴23年,大いに共感しました。(後略)(鵜)
2006年4月16日 読売新聞 11面 引用
- 作者: 山口瞳
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/03
- メディア: 文庫
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聞くことがある。それも堂々としている。”恥かしさ”というか”謙虚”な雰囲気
が無いのだ。「ちょっと図々し過ぎじゃありませんか?」と言いたくなる。
- 作者: 板倉聖宣
- 出版社/メーカー: 仮説社
- 発売日: 1992/04/10
- メディア: 単行本
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①「わからない」と言うのが謎解きの第一歩
(前略)
私は小学生時代に教わったことも片端からわからなくて,大学に入った後まで,
「自分の頭は特に悪いのではないか」と心配でならなかったのですが,勇気を出
してそのことを口にしたところ,ほかの人たちもまるっきりわかっていないこと
がわかったことが何度もあります。
そして,安心したというか,「わからないことに気づかずにただ覚えこんだ人
よりも,わからないことにこだわり続けた自分のほうが優れている」というよう
にも思えて,それまでになく自信をもつことができるようになりました。
(後略)
板倉聖宣『発想法かるた』50,51ペ(仮説社)1992.4.10
②聞くは一生の恥,聞かぬは永遠の謎,こっそり知ろう常識は
これは普通のことわざとはまるで正反対のことわざです。普通は「聞くは一時の
恥,知らぬは一生の恥」というものでした。しかし,私はそのことわざを信用でき
ませんでした。へたに聞くと,「そんなことも知らないのか」と一時的に馬鹿にさ
れるどころか,あとあとまでも「あいつはこんなことも知らなかった」と馬鹿にさ
れ続けることもあることを知ったからです。そこで,「そんなに馬鹿にされるより
は,聞かないで〈永遠の謎〉にしておいたほうがいい」とどんなにか思ったことで
しょう。(中略)
あまり人に馬鹿にされると自信がなくなるので,あまり馬鹿にされるのも考えも
のだと思うのです。そして,かなり勉強したところで,「わからないことはわから
ないと言おう」といいあえる仲間を作ることが大切だと思うのです。
板倉聖宣『発想法かるた』52,53ペ(仮説社)1992.4.10
ぐらいの慎重さが大事だと私も思うのです。
ネット社会の現代は,空間を越え,時間を短縮し,多くの人との
仲間作りも,こっそり常識を知ることもできる環境もそろっているのです。
もう少し,人に優しい社会にしたいなぁ。
もう少し,正直に生きる事を大事にして欲しいなぁ。