- 作者: 絲山秋子
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/10/29
- メディア: 単行本
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どうでもいいって言ったら,
この世の中本当にどうでもいいわけで,
それがキミの思想そのものであった・・・・。
の「それがキミの思想そのもの」という処が,何か自分の事を
指摘されてる*1みたいで,
手に取ることはないと思っていた。
某日記サイトの方の読書評を読んで,内容や雰囲気が私の感じて
いたものと違うこともわかり,オススメに乗っかってみることに
した。
投票後*2,その足で梅田に地下鉄で出たが,
行き帰りの函の中と,梅田で20分並んで*3待っている間に,
短編を3つ読めた。こころなしか,気持ちが和む暖かい話ばかり。
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「ベル・エポック」:実家に帰る友との別れも,ラストで友は実家に帰らず
二度と会うこともないだろうと裏切られた気持ちになる主人公だが,それで
も温かく見送るシーンは,優しい。
「ニート」&「2+1」:表題作とその続編だけれど,”他人の喜ぶ顔を見
たい”というのが一番の人間の生きる力だろうなぁ。甘くて甘くて,頼り,
頼らせる,そういう関係が素直に描かれていて羨ましくもあり・・(微笑)。
あとの2編も設定に好き嫌いの部分はあるだろうけれど,優しい話です。
内容以外で気に入ったのは,本のカバー。
書店の紙のカバーがあまり好きでないので,外で読むときは,
カバーを裏返し上下逆さまにして持ち歩く。
表紙カバー紙の裏が白い本が多いのだけれど,この本は茶色のなんとも
いえない温かい色。これは珍しい。