magurit’s blog

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防災は大事な事だけど・・・歴史マンガ

津波から人びとを救った稲むらの火―歴史マンガ 浜口梧陵伝

津波から人びとを救った稲むらの火―歴史マンガ 浜口梧陵伝

 インド洋津波で,脚光を浴び直した「稲むらの火」。
 新聞のコラムなどでも,この8ヶ月,尋常小学校・修身教科書に
 教材として使われていた「稲むらの火」をあちこちで見かける。

 ”防災”というのは,災害が起こる事など無い状況で,最悪の
ストーリーを想定して行うことが前提な筈である。
 しかし,悲しいかな”人は熱しやすく醒めやすい”。だから歴史を
繰り返さない為にも過去の出来事から危機管理をしないといけない
わけだろうと思っている。
 インド洋津波が無かったら,果たして「稲むらの火」は甦ることは
あっただろうか?”防災”の名を借りただけという気がしてしまうの
は考え過ぎかな?

 

知恵と工夫の物語―新総合読本〈2〉 (新総合読本 (2))

知恵と工夫の物語―新総合読本〈2〉 (新総合読本 (2))

 は,1998年の本であるが,昔の小学校にあった,読本*1
時間を教育界に持ち込もうとした,教材集である。
 そこには,「稲むらの火」や寺田寅彦の随筆が含まれている。
もちろん,1980〜1990年代に書かれたお話も含まれている*2
国語の時間に読むという行為よりも,分析批評的な授業が行われてきたが,
純粋に読むことを愉しむ授業をという発想らしい。
 斉藤孝らが,唱えるよりも早くから,この著者のグループは取り組んでいる。
斉藤や歴史マンガにこの本を参考文献または,典拠文献として取り上げる事
さえされていないのは,いかに編集者や文学者が,先行研究をないがしろに
しているかという悲しい証拠である。
 だから,日本では,二流・三流の仕事人はいても,一流の創造的な仕事を
する人が極めて少ないのだろう。

 そんな事を考えながら,カリンニコフの第2交響曲をエンドレスで聴いている。
帰ってきたネコは,マイペースで生きている。
 どうして,こんなに忙しいのか・・・・。

*1:”とくほん”と読む

*2:復刻本ではない