magurit’s blog

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ゾウの時間かネズミの時間か

  およそ10年前ぐらいから注目している科学者が本川達雄*1
   

ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)

ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)


  彼の新刊『おまけの人生』を読んだ。
 「大賛成もできないけど,大反対もできない」という評価にしておきます。
  私は,彼の最初の『歌う生物学』の方が,迫力があって好きだ。
   

おまけの人生

おまけの人生


   

歌う生物学

歌う生物学


  同じ題名で,『おまけの人生』にも言及されている『歌う生物学必修編』は

   歌う生物学 必修編



  お世辞にもいただけない。歌いたくない歌ばかりである。
  講談社版の中の歌は,一度聴いたら忘れられないメロディとフレーズに,
  迫力があった。CDまで出したのだから。
    

歌う生物学

歌う生物学

   このCDは,見つけたら買いだ!
   恥ずかしながら,テンションの低い朝は通勤の車の中で歌い続ける(笑)。
  某国営放送の教育バージョンの「市民大学講座」で『生物のデザイン』と
  いう講座(全12回)で毎回,歌っておられたのだが,エアチェックしたビ
  デオを友人に貸したところ,友人の子供が,「生き物は円柱形〜」
  と唄っているというのだ。
   また,『研究室の逆襲』という番組では,東京工業大の講義の様子が紹介
  されていたが,学生にひとしきり講義した後,
   「・・・・では,歌います。
     かえるはピョンピョンピョンと跳ねる。
     トンボはスイスイ空を飛ぶ
     動くのは,動くのは,体の中で
     筋肉が動いているからさ・・・・・・・」
  学生の手拍子の中,アカペラが続いていた。

  教科書や有名参考書の編纂委員になって書かれた『歌う生物学必修編』は,
  3枚ものCDがついているが,私にとっては,歌いたい曲は1曲もないの
  がとても悲しく寂しい。

  最近の彼の著作で,読みやすく,分かりやすく,知らなかった事が知れて
 良かったという本として,『ナマコガイドブック』をオススメする。
  この本に書かれている,一般的なナマコの習性・生態について,知っている
 人が,どれだけいるだろうか?「いい本」だと思う。

  

ナマコ ガイドブック

ナマコ ガイドブック

  「肩書きが人を作る」とか「仕事が人を作る」と言う言葉も耳にするが,
  「肩書きが人をダメにする」もおおいにあるように思われる。
  「オケイコ」ぐらいで生きているのがホドホドで良いのではないか?と
  思ったりするのだが,実は『おまけの人生』にはそれが書かれている(笑)。

*1:『ゾウの時間とネズミの時間』というロングセラーをご存知かも!?