magurit’s blog

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トランスな世界

No.74

●投稿者:マグリット(♂)
●投稿日:11月03日(日)19時53分41秒

◆選曲のいいCD2枚

 連休になって,冬物と夏・秋物と入れ替えながら,CDを聴いて
います。

  • 「愛のあいさつ/DEBUT・奥村 愛」

 このCDに納められている小品はとても珍しい。
 ガーシュウイン/ハイフェッツ編曲の作品が3曲もある。
 ガーシュゥインの曲をヴァイオリンで聴くのには,少々抵抗感があ
ったのだが,聴いてみて気持ちよかった。「パリのアメリカ人」,
「ベスよ,お前は俺のもの」,「そんなことはどうでもいいさ」の3
曲だが,特に「パリのアメリカ人」が秀逸である。フランスの洒落た
感覚と田舎者のアメリカ人のノンビリとした雰囲気がよく現れている。

 しかし,デビューアルバムにしては,大胆なそして自信に溢れた演
奏と選曲である。一曲目に加古 隆の「黄昏のワルツ」,そしてブー
ムのピアソラチャイコフスキーの「なつかしい土地の思い出」は,
きっちり三曲とも押さえられている。
 キュートな雰囲気と裏腹に,なかなか先の楽しみなソリストとして,
記憶に残しておきたい。

 「エアー/アルディ・サクソフォーン・クワルテット」は,4人の邦
人アンサンブルであるが,これまた選曲がいい。
 バッハの「無伴奏チェロ組曲」から始まり,サティの「ジュ・トゥ・ヴ」。
6曲めのパッヘルベルの「カノン」で,このCDは,古典の名曲集かと思
わせておいて,サルトーリの「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」を演奏し
て,思わずニヤリとした。ドビュッシーの「喜びの島」も幻想的な雰囲気
を充分に伝えてくれる。最後は,マスカーニの「カヴァレリア・ルスティ
カーナ」の間奏曲である。
 しっかりと締めがきいている。そのまま,冒頭にリプレイしても違和感
もない。延々と聴いていたくなるCD。

 カヴァレリア・ルスティカーナの間奏曲は,あまりにも有名だが,この
曲を自社紹介のプレゼンテーションに使っているところがあったが,「ち
ょっと悲しすぎないかい?この会社,大丈夫?」とちょっと心配してしま
った。