magurit’s blog

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『海に降る』完読。

 

海に降る

海に降る

 ちょっと、物足りない。
 こういう書き方の小説が、最近多いのじゃないかな。
 のめり込む様な感じにはならないけれど、
 まぁ、読める、読めてしまえるという小説。
 
 (1)閉所恐怖症になってしまった、潜水艇乗りが、
 症状を克服する話。
(2)父親が発見したが認められなかった生物を、
 立場を乗り越えて発見してしまう話。
 (3)腹違いの弟の不登校を癒してしまう話。
 (4)父親を乗り越えたいという思いがある話。
 (5)巨大生物を登場させたいという話。
 (6)一応、水中でピンチを作りたいという話。
 (7)あっさりと、ピンチが逃げていく話。
 (8)二人の男女が危機を乗り越えて一緒になる?話。
 
 議員さんも登場するが、必然性が?よくわからない。
 
 いろいろな要件が錯綜はしてないね。
 伏線と回収というほどでもないね。

 あれもこれもと書きたいことがあったんだろうけど、
 どれもこれも書き込みが弱い、浅いということか。
 
 
 読みやすさという点では、実に読みやすい。
 そう、終盤にサスペンスフルにしたかったのかも
 しれないが、そこまでピンチになっていない。
 
 いや、潜水艇としては、十分ピンチなんだけど、
 なんなく脱出してしまってるからかなぁ。
 
 閉所恐怖症の女性潜水艇員があっさりとピンチを
 切り抜けてしまうから、水族館的な小説で終わってると
 感じるのかもしれない。
 
 『深海のYrr』と比べたらいけないのだろうけれど、
 深海潜水艇が事故にあった時の緊迫感は、雲泥の差。
 
 残念に思う。