ちょっと怪しげな催しに
参加して来ました。
「ロウソクの科学」
といっても,ファラデーの
クリスマス講演とは全く関係ありません*1という片目で覗く絵本。遠近法を利用していて,
面白いです。自称,”よぐちたかお”宣伝マンですので,『うごく浮世絵!?』と『ぼくのとくいわざ』を
見せて感嘆の声を上げていただきました。
- 作者: 那須田淳,吉田稔美
- 出版社/メーカー: 理論社
- 発売日: 2007/12
- メディア: 単行本
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もちろん,一番前の席へ*2。
定刻より10分遅れで始まりました。まずは,前述の吉田稔美さん。
会場を暗くして,ご持参の改造マジックランタンで,骨董のタネ板*3の映写から。
ファンタスマゴリア(幻灯)の草創期は,スクリーンの裏から映写したり,
焚いたスモークに向けての映写だったそうな。宗教的な意味合いがあって,
悪魔的な映像を見せて,宗教心を高めるためだったとか。
そのためか,タネ板に描かれた動物の顔はどれも怖いです。
ただ,この日は,二番手に登場する,学者の細馬宏通さんが即興のアフレコを
して場内を大いに湧かせていました。いや,あんな面白い人とは・・・。
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- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2006/05/01
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- 作者: 吉村信,細馬宏通
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最後に,現代美術家の藤本由起夫さんの話です。
”なぜ,ロウソクなのか”というお話(細馬さんとのトーク)でしたが,
なかなか面白く聴けました。
脳味噌再生なので,前後した話が一緒くたになってるかと思いますが,
煌々とした灯りの中での生活って,この3,40年のことです。
蛍光灯が出始めた頃だって,チラチラする薄暗い蛍光灯でしたし。
錦絵や立ち万古(特に,ドギツイ赤色)を見て,普通の方は「昔の人はこんな色が
よかったなんて,ちょっと理解できない」と思われます。
で,考えると,こういう絵が描かれたのは,ロウソクや行灯,ランプの灯りなんです。
ユラユラと揺らめく灯りの下で描かれたのです。ですから,ロウソクの灯りの下で
見ると,このドギツイ赤が,それほどでもなく,じつにしっくりきたりします。
先日,大原美術館で,常設展示を一日だけ,見せ方を変える催しをしてきたのですが,
芹沢けい介の展示室が,ガラスのケースなのですが蛍光灯なのです。
まるで◎○●のようでした。この部屋の灯りをスタンド一脚に変えてみたら,
見事でした。藍染めの模様というのは,蛍光灯の明かりで照らしてのでは,映えないのです。
暗闇にほのかな灯りで,月の模様が浮き出ていました。
それで,当時のモノを体験するには(場合によっては),当時の灯りで
見ないと体験したことにならないのではないかと思って,この企画をすることになりました。私の出品は,知人が御尊父の遺品を整理していて「どうもステレオ写真らしいのだが,
いるなら送るけれど,いらなかったらこっちで捨てるけど?」という話なのです。
そんなに期待してなかったのですが,東京の◎×博物館にあるものでした。ですが,それは
ガラスのケースに入ってるので触って見ることもできませんし,収蔵庫なら私も入れるの
ですが,さすがにろうそくを付けて見ることはできません。
万国実体写真協会のステレオビューワーの一式*4です。
それを,(ここは文化財ですから火は使えませんので)会場を変えて,皆さんに見て
いただこうと思っております。・・・・・
実は,藤本*5さんを生で見るのは,初めてで,プチ興奮状態。
3Dがブームだった1980年代後半にサウンドアーティストという肩書きの
藤本さんの活動を目や耳にして,面白いなぁとコッソリと注目しておりました。
今は亡き,上六の謎のバー”フィネガンス・ウェイク”で,引き出しに
数々の藤本・オルゴール・パフォーマンスを見つけた時は,ニッコニコでした。
workroomAに移動した処,狭い会場は人だかりです。
細馬さんが,外国製の透かし絵ハガキをろうそくにかざしながら,
独特のアフレコで解説しています。
昼間の写真なのに,後ろからロウソクをかざすと,月夜に変わったり・・・。
藤本さんは,会場の電気を点けたり消したりしながら,ステレオ写真を
電灯とロウソクとの見え方の違いを楽しそうに話されています。
夜の上野の池の写真は,ロウソクの灯りでみると,揺らめく炎で,
ステレオ写真の湖面がさざ波打ってるように見えるのが不思議です。
驚き盤が窓の側に置かれ,レンズ越しにロウソクの虚像が揺れ,
吉田さんのピープショー絵本の数々を参加者が歓声を上げながら楽しんでました。
20時過ぎから21時過ぎまでの1時間,私もニコニコしながら
絵を見たり,藤本さんと話をしたり,
そして,よぐちさんの絵本を出して,紹介しておりました*6(笑)。
主催者*7さんとは,先日のFTOで色々お話をして
いたので,拙作*8をチョコっと預かってもらいました。
とっても,不思議な夜でした。
来週からの展示も,17:00からですし,スタッフに声をかければロウソクで見せてくれるとのことでした。
もう一度,見て帰りたいと思います。
*1:で,この日のタイトルからも外してあります)。 透かし絵はがき,ステレオ写真,ピープショーなどをロウソクの仄明かりで楽しむものです。 その展覧会のプレイベントの「ロウソク談話室」。 出品者の方々の珍品,逸品を解説付きで味わってきました。 前日に電話で「参加者が50名を越えたので,綿業会館の小会議室でお話会をした後に, 当初の会場にて,体験」と変更の連絡を受けたので,まずは,文化財の綿業会館へ。 http://www.interex.co.jp/Ngirl/workroomA/index.html ちょっと早く着いた処,出品者の一人,絵本作家の吉田稔美さんとちょっとお話することが できました。この方の出品は,ピープショー((http://www.workroom.co.jp/wra/events/manazashi0902.html
*2:眠たい講義なら,後ろなんですが・・・
*3:スライドみたいなモノ
*4:http://museum.city.fukuoka.jp/jf/2003/fs_eizo.htm
*5:http://homepage1.nifty.com/caption/homepage/fujimoto/fujimoto%20home.htm
*6:よぐちさん,絵本,評判よかったですよぉ。大阪で,展示会して欲しいという声が挙がってましたよ。
*7:大阪3D協会の頃から注目していた人
*8:コロコロリングの作り方,ピコピコカプセル等