magurit’s blog

はてなダイアリーからの移転です!

『海竜めざめる』・・海竜ねぇ,海竜かぁ。

  ネタバレになるかもしれないが,
 古典作品だし,かといって,ハヤカワSF文庫で
 カバーが新しくなっているので,誤解しちゃう人も
 いるだろうなぁ,この邦題だと。
  海洋生物・海洋SFが好きなので,随分昔に買って,
 熟成しておりました。
 プレシオサウルス*1イクチオサウルスかと思って読み
始めたがしっくりこないんですよ。
  ドイルの『失われた世界』の雰囲気を期待したのにそうじゃないんです。
 肩すかしなんですが,古いSF映画を観ている様な面白さは味わえます。
 まだ,読書途中ですが,読み終えてからでは感想をかけそうもないので・・・。
 ただ,淡々としたなかに,ひしひしと迫ってくる絶望感が。
  

  
宇宙戦争 (1953) スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

宇宙戦争 (1953) スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

  ウェルズの『宇宙戦争』という作品が人々に知られている世界での話。
 つまり『宇宙戦争』というSFの面白さを世界中の人が知っている為に,
 UMA?UFO?が現れても怖れるというのではなく,「そんなSF小説が
 現実にあるわけないだろう!」という世論が勝っている社会での話です。
  主人公とその妻が船で新婚旅行のシーンから始まりますが,
 脳内映像にして読んでいても浮かぶのは,白黒時代のハリウッドのSF映画や,
 邦画の「空の大怪獣ラドン」の雰囲気といった感じです。
  宇宙からの隕石状物質が世界中の海に落下しそれを目撃したり,船が沈没したり
 するのですが,宇宙人説を唱える一人の科学者が村八分にされながらも,
 最初は「交信して友好を結ぼう」とする。が,世論にバカ扱いされるうちに,
 世界中に被害が広がっていき,どうやって戦うか?という話に展開していく。
 この先,地球人は海竜?とどう戦って勝利するのか。
 ひょっとして敗北するのか・・・?
  原題が「THE KRAKEN WAKES」。
 クラーケンって,イメージ的にイカやタコみたいな化け物だったような・・・。
 そう考えると,”海竜たち”ってネッシーじゃなくて・・・。
 訳が,星新一だというのを,先に読んだ”訳者あとがき”で知り驚きました。

  ウィンダムと私とは,作風がまるでちがう。しかし,この作業をして,
 なにかと得るところが多かった。福島正実氏は,それによって私が長編を
 も書くようになるのを期待したのかもしれないが,彼はすでにこの世にな
 く,真意はもはやたしかめようがない。そして,私は依然として短編ばか
 りを書いている。

 うーん,星新一の長編って・・・。
 

星新一 一〇〇一話をつくった人

星新一 一〇〇一話をつくった人

*1:ネス湖ネッシーのモデル