magurit’s blog

はてなダイアリーからの移転です!

今年は,四人で

  近くの大津神社に参りました。
 紅白が終わり,除夜の鐘の音が
 聞こえはじめたので。
  留守番を感じた猫がすねていま
 す。呼んでも来ません。柱の陰から
 顔を出してこちらを見ているのです。
 「すぐ,帰ってくるからね」と声をかけると,
 走って寄ってきました。
  冷え冷えとした空気の中,両親が遅れて歩いています。
  けらけらと笑っても,冷たい空気が押し返すのも感じず,私たちは跳ね歩いていました。
 十日戎ならぬ,八日戎の幟が並ぶ中,神社への道をひたひたでなく,ひょこひょこと歩きました。
  ついこのあいだ,見たような焚き火。
 
 ”火まもり人”が薪を投げ込むたびに,さあっと火の粉が舞い昇りました。
  
 どこまで昇れるか競い負けた粉は,ちりちりと風に流されて行くのです。
 横に3人ずつ並んで,一歩一歩,本殿に寄っていきます。
 「手口をすすごう」と連れ合いが走っていきました。
 反対側を御神酒を受ける人と授ける人が交差します。
 母と連れ合いが出張社務所を眺めに行きます。
 破魔矢や壁飾り,土鈴に木彫り,干支のねずみがさまざまな顔で並んでいました。
  
 「帰りにね」という声などがしていましたが,私はお賽銭を幾らにするか考えていました。
  去年,何か願い事をしたかな?
  連れ合いとの事を願ったかな?
  病気の事だったかな?
  考えましたが思い出せません。仕方なく,100円玉を一枚,5円玉を一枚。
 連れ合いが尋ねます。「お賽銭,幾らするの?」
 「100円。いや,消費税を入れて105円」
 「消費税?」笑い声が漏れました。
 でも,頭の中では『去年のお礼かな?もう一口別に入れようかな?』と考えていました。
 そして,右手で105円,左手で55円,握りました。
 随分長い間,「まだかなぁ,寒いからさっさと済ませてよね」と身勝手な思いで並んでいたのに,
 順番がくると「ちょっと待ってよ,急かさないでよ」と,またまた身勝手に思うのでした。
 右手,左手,交互にお賽銭を放り,鈴を鳴らし,二礼,二拍手,一礼。
 どのタイミングで何をお願いしたのか,手順に気を取られて何もお願い出来なかったのか,
 今では思い出せません。
 来年もまた,両手にお賽銭を握らないといけないようです。