- 作者: 板倉聖宣
- 出版社/メーカー: 仮説社
- 発売日: 2003/11/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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読まされた人には「もう二度と(つまらない)科学の本なんか読むものか」という感想が残るとか*1。
「恩師デーヴィーとの確執」や「クリスマス講演*2」については書かれていない。
ファラデーの発見した事にだけ注目している。
ファラデーの業績の幾つかを4人の少年少女と博士(著者)との会話で体験していく趣向。
伝記としても読める*3が,ファラデーがいかに楽しく実験をしながら発見したかを追体験できる。
久しぶりに読み返してみた。
「科学研究はいい先生につくことが大切だ」
と,著者が書くように,デーヴィあってのファラデーであることは間違いない。
しかし,ファラデーほど多岐に渡って発見の山を築いた人間もいないだろう。
数学が出来ないため,数式を使わず,イメージできることを大事にした。
この本では,
/生い立ち/安全ランプ/磁力線/電磁気の感応現象/半導体物資の発見/反磁性体/
の話が織り込まれている。
反磁性体の話の抄では”エネルギー保存則の発見”,”光の電磁波説”にまで及ぶ。
”感応現象=誘導”の様に,言葉への配慮も丁寧になされている。
「読書好きになるにはいい(おもしろい)本を読むことが大切だ」
*1:これに対して,新聞の読書欄などでは,「最後まで読んでこそ・・・」とか「いい本に出会った」などというつまらない評が幅を利かせる。読むにたえないツマラナイ書き方をされた訳本は”百害あって一利なし”と思う。だって,瞬間的にせよ百万部売れないじゃない?『昆虫記』も同様
*2:王認研究所の講演は「ファラデーが青少年の為にサービスでしたこと」と誤解されている。実際は,かなり高い参加費を徴収して行われた。王認研究所は常に財政難だったので,この会費が財源になったのです。”ロイヤル=王立=王が金を出している”というイメージが日本では定着している為にエコノミック日本では誤解が生じる。こういう部分も教育者や科学者にはきちんと説明・啓蒙していただきたい
*3:詳細な年譜あり