今から,156年前の今日,
1850年の7月2日,フランスで
「動物虐待」についての法令が
制定されました。
それが「グラモン法」です。
フランスでは1850年に「1850年7月2日法」
(グラモン法 loi Grammont)で、
動物虐待を処罰する法律を規定しています。
その後この法は廃止され、動物虐待は通常の
刑法に含まれるようになりました。
「1976年7月10日法」では動物は人間と同じく「感覚ある存在」と規定されています。その他、
集合住宅(マンション、アパート)などにおける動物の飼育は、日本でも大きな問題ですが、
フランスでは「1970年7月9日法」で、住宅(集合住宅も含む)の契約に関連して、
ペット飼育を禁止する規約を結ぶことを無効としています。つまり、ペットを飼い始めたから
といって、賃貸住宅や公団住宅などでも規約違反になることはないというものです。ペット愛
好家にとっては朗報なのですが、もちろん当然のことながら、ペットを飼育することで隣人に
迷惑をかけないという条件は付きます。
「ペットをめぐる法律*1」より
あからさまな虐待事件も,時々マスコミを賑わせますが,
むしろ,ペットを飼いきれなくなって,こっそり捨てる飼い主が
増えたのは問題ですねぇ。
心臓の拍動は3億回*2。ネズミもゾウもほぼ同じ回数だそうです。
ただ,拍動の速度が違うので,人間の時間で考えるとネズミは2年ぐらい
しか友達づきあいできません。最近はペットのエサ環境が良くなって,
犬や猫も昔よりも長く一緒に居てくれます。ほ乳類は,比較的人間にとっても
親近感が湧きやすいのかもしれませんが,だからといって,古代魚やは虫類が
大きくなりすぎたからと,捨てるのは感心できません。
”もの珍しさ”から飼い始められたのでしょうが,”珍しい”からこそ,
生態をしっかりと把握する努力もしていただきたいと思います。
動物虐待に関する法律は,日本では1685年7月,「生類憐れみの令」の
方が古いのかも*3。
平成12年には,次の様な法律も
動物の愛護及び管理に関する法律第27条
(2000【平成12】年12月1日施行)
① 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、1年以下の
懲役又は100万円以下の罰金に処する。
② 愛護動物に対し、みだりに給餌又は給水をやめることに
より衰弱させる等の虐待を行った者は、30万円以下の罰金に処する。
③ 愛護動物を遺棄した者は、30万円以下の罰金に処する。
④ 前3項において「愛護動物」とは、次の各号に揚げる動物をいう。
1. 牛、馬、豚、めん羊、やぎ、犬、ねこ、いえうさぎ、鶏、
いえばと及びあひる
2. 前号に揚げるものを除くほか、人が占有している動物で
哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの
ワニガメが,自由に闊歩出来るのならいいけれど,
(人間の都合で)迷惑がられるのは,ちょっとね。
昨夜は,新谷かおる『ジェントル萬①-③』を読み直してました。
- 作者: 新谷かおる
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2002/09
- メディア: 文庫
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
*1:http://www.asahi-kasei.co.jp/hebel/pet/kenkyu/report/report5.html
*2:本川達雄『ゾウの時間とネズミの時間』 絵とき ゾウの時間とネズミの時間 (たくさんのふしぎ傑作集)
*3:「悪法」だとか,「犬公方」だと悪いことばかり言われますが1980年代頃から,江戸時代の見直しが行われています。まぁ,マスメディアの力が強いので,ドラマでスキャンダラスに描かれるとね・・・。確かに極論的な扱いをすると”すぎたるはおよばざるがごとし”ですが。板倉聖宣『生類憐れみの令-道徳と政治』(仮説社)は,オススメです。