magurit’s blog

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唯川 恵『今夜は心だけ抱いて』

 

今夜は心だけ抱いて

今夜は心だけ抱いて

 うとうとと二度寝,三度寝をしながら,一気に読み終えました。
 先週?朝刊2-3面の下の広告に目を奪われていたのです。
 そのあと「でこぽんさんの読書日記*1」でも
 オススメになっておられたので,すぐに読み始めました。
 やっぱり,「読みたい!」と思った時*2にすぐ読むのがいいですね。
 まず,帯。期待感に溢れてますねぇ。

 若いカラダと熟れたココロ
 熟れたカラダと若いココロ
 女はどっちで恋をする。

 父親が転勤でロンドンに行くことになった一家。
 娘・美羽(17歳)は受験を控え,日本に残りたい。
 預かってもらえる親戚も無く,離婚した,産みの母・柊子(47歳)に
 元つれあい*3が電話で,相談を持ちかける。
 娘・美羽は,自分を捨てた,元母親にやっかいになるのは気がすすまない。
 翻訳業をしながら独身生活を送る柊子もどうしようかと迷うが・・・。
 そして,父娘と元母が出会った日,運命の出来事が起こる。
 エレベーター事故での,身心の入れ替わり。
 ”身心入れ替わり”で幾つかの作品*4が頭に浮かぶが,
 いえいえ,期待は裏切らないどころか,予想を遥かに翻す,心切なくなる話が
 詰まっていました。
 美羽と柊子の話が,交互に章立てとなっているので,互いの心の機微が
 伺え,「年齢って何?」「大人って?」「成長するって?」と
 心を豊かにしてくれるでしょう。
 女性同士の入れ替わりで,それぞれの社会的立場で生活をし,
 元の立場で顔を隠して周りとの会話でアリバイを繕う。
 元に戻れるのか,戻れないのか。
 「これで戻れるのかな?」というストーリー展開にも,
 待っていたものは・・・・・。
 とても可笑しく,切なく,清々しく,それでいて成長を促す,
 とてもいい本だと思います。現時点の今年の一押し*5!!
 閑話休題
 この本の表紙を見た時,私には既視感がありました。
 

白い薔薇の淵まで (集英社文庫)

白い薔薇の淵まで (集英社文庫)

 『今夜は心だけ抱いて』の後半,舅・姑の処を訪ねる,孫の姿をした元嫁が
 お見舞いに出かけるのですが,『花伽藍』の優しさを思い出しました。
 あぁっ,「持ち帰り残業」に何も手をつけなかった(苦笑)。

*1:http://d.hatena.ne.jp/yookoo/20060330

*2:私の場合,読みたいと思う本が多すぎるのが問題なのですが・・・

*3:きっちり再婚している。その再婚は・・・。

*4:題名は覚えてないが,男と女だったり,娘と死んだ母親だったり

*5:ドラマ化はしないで,イメージ崩れるから