- 作者: 唯川恵
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2006/03
- メディア: 単行本
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先週?朝刊2-3面の下の広告に目を奪われていたのです。
そのあと「でこぽんさんの読書日記*1」でも
オススメになっておられたので,すぐに読み始めました。
やっぱり,「読みたい!」と思った時*2にすぐ読むのがいいですね。
まず,帯。期待感に溢れてますねぇ。
若いカラダと熟れたココロ
熟れたカラダと若いココロ
女はどっちで恋をする。
父親が転勤でロンドンに行くことになった一家。
娘・美羽(17歳)は受験を控え,日本に残りたい。
預かってもらえる親戚も無く,離婚した,産みの母・柊子(47歳)に
元つれあい*3が電話で,相談を持ちかける。
娘・美羽は,自分を捨てた,元母親にやっかいになるのは気がすすまない。
翻訳業をしながら独身生活を送る柊子もどうしようかと迷うが・・・。
そして,父娘と元母が出会った日,運命の出来事が起こる。
エレベーター事故での,身心の入れ替わり。
”身心入れ替わり”で幾つかの作品*4が頭に浮かぶが,
いえいえ,期待は裏切らないどころか,予想を遥かに翻す,心切なくなる話が
詰まっていました。
美羽と柊子の話が,交互に章立てとなっているので,互いの心の機微が
伺え,「年齢って何?」「大人って?」「成長するって?」と
心を豊かにしてくれるでしょう。
女性同士の入れ替わりで,それぞれの社会的立場で生活をし,
元の立場で顔を隠して周りとの会話でアリバイを繕う。
元に戻れるのか,戻れないのか。
「これで戻れるのかな?」というストーリー展開にも,
待っていたものは・・・・・。
とても可笑しく,切なく,清々しく,それでいて成長を促す,
とてもいい本だと思います。現時点の今年の一押し*5!!
閑話休題
この本の表紙を見た時,私には既視感がありました。
- 作者: 中山可穂
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2003/10
- メディア: 文庫
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お見舞いに出かけるのですが,『花伽藍』の優しさを思い出しました。
あぁっ,「持ち帰り残業」に何も手をつけなかった(苦笑)。